
2024.11.26.付けでBIGHIT MUSIC(HYBE子会社)の新CEOのニュースが発表されました。新CEOはシン・ソンジョンさん。
BTSのデビュー前からビッヒ社員で、それこそ彼らを集めて育成したチームのメンバー。チームといっても当時ビッヒの社員は10人程度だったそうですが。
BTS(防弾少年団)、TOMORROW X TOGETHERの所属事務所であるBIGHIT MUSICの代表がシン・ヨンジェからシン・ソンジョンに代わった。
BIGHIT MUSICは本日(26日)「シン・ソンジョンGM(ゼネラルマネージャー)を新代表取締役に選任した」と明らかにした。
シン・ソンジョン新代表は2010年、HYBEの前身会社であるBIGHIT MUSICに入社し、世界的なアーティストBTSの誕生と初期の成長に貢献した。
また、HYBEのT&D(Training & Development)事業室室長とGMを務め、各レーベルの特色に合わせた練習生選抜と教育プログラムの開発・運営など新人開発システムの高度化を主導。T&Dプログラムを経てデビューしたアーティストには、BTSをはじめ、TOMORROW X TOGETHER、ENHYPEN、LE SSERAFIM、&TEAMなどがいる。
これらの功績が認められ、全世界の音楽産業をリードする40歳未満の若いリーダーを選抜する「2022ビルボード40 Under 40」に名前を連ねた。音楽産業に大きな影響を与えた女性アーティスト、クリエイター、プロデューサー、経営陣を選ぶ2023「Billboard Women in Music」の「マルチセクター(MULTI SECTOR)」部門に選出された。
2023.12.に公開されたHYBE T&D Storiesでシン・ソンジョンさんがRMと語っています。こちら全5パートあって、ハイブの練習生の育成システムについての広報なのですが、BTSと新CEOが絡んだ部分だけ抜き出してみます。
ジミンを守り、BTSを守った
シン・ソンジョン(SJ):私はHYBE T&DでHEAD OF T&Dを 担当しているシン・ソンジョンです。T&DはTraning&Developmentの略語で練習生をアーティストに 育成する組織です。
RM:この方があの当時JIMINさんを守った2人の守護神のうちの1人なんです。ある意味JIMINさんを守ったことがBTSを守ったことだと言えますが、とにかくあの判断が 正しかったですよね。JIMINさんがいなかったら大変なことになったでしょう。
一番遅く練習生になったジミンにアドバイスをたくさんして、メンバーから外すことを検討していた会社に反対していたのがこのシン・ソンジョンさんということですね。RMの口ぶりから信頼関係が分かります。
ジミンについての話は、こちらの第3話にも出てきます。
SJ:私が印象的だったのは、JIMINさんは外部で 舞踊を学んできたメンバーなので、ダンスをする時 しなやかに踊る 習慣が既に身についていて、ポップスの歌手としてダンスをするためには 最も直さなければならない、力強いダンスをするには直さなければならない 部分だったのですが、実際にそのミッションを課されて 次の月の評価でものすごく良くなったというフィードバックをもらったので、私もとても驚きましたし、どれだけたくさん 練習したのだろうか、すごいと思ったエピソードがあります。今も私の記憶に残っています。
ジミンがユークイズに出たときに話していた「ありがたいヌナ」もこの方なのかな?
BTSでの経験がHYBEの育成システムに
BTSのデビューまで、様々なトレーニングをした経験がその後HYBEの練習生の育成システムになったようです。
SJ:元々音楽をやっていたナムジュンやSUGAや…ホビもいたし、彼らとオーディションで入ってきた メンバーたち…
RM:街中でスカウトされた人もいたしとても多様な組み合わせでした。
SJ:各自の強みをさらに際立たせつつ、弱みに関してはバランスを取る作業。
そういう事を会社は すごくたくさん悩んだしそれに伴って個人ごとに 異なるプログラムを…RM:それは覚えています。
SJ:デビューしてから 成長し続ける姿を見ながらも、ああ、これが合っていたんだなと 何度も思いましたね。
RM:会社のスタッフが 10人しかいなかった頃なのに、当時メンタルケアもしてくれて、パーソナルトレーニングも 受けさせてくれて。そういうものから削りに削って最後に「A案」だけを残したのが 今のシステムなのでしょうね。
あの時僕たちが一緒に大きくなったように、一緒にぶつかり合いながら 一緒に大きくなっていったんです。
そのシステムについては、こちらの動画にありました。
段階毎に
- 歌、ダンスの基本を学ぶ
- 外国語など多方面の実力を育てる
- 個人の長所、個性などを強化する
- 実力だけでなく、心持ちまで涵養
とのこと。
アーティストの根っこは音楽、そして人
メンバーもスタッフも「一緒にぶつかり合いながら成長」した経験のうち、音楽に関しても「RMのプレイリスト」がその後ハイブのレガシーになったようです。
RM:音楽をあまり幅広く聞かない子たちに、僕がCDなどに(音楽を)入れて
その子たちにあげたりしました。当時はまだそういうふうに 音楽を聴いていた頃なので、ロマンがありましたよね。
RM:それ 本当に そこから借用したものなんですか?
SJ:それによってどんなメリットが 生まれるのかを目にしたんだよね。後になって自分のためになったことが分かるんだってことを、TOMORROW X TOGETHERを見ていて分かったんだよね。それでその時 ナムジュンがやってくれたことが システム化されたらいいな、(音楽を)たくさん聴く経験をする きっかけになったらいいなと。
HYBE T&D Stories | Part 04 WE BELIEVE IN MUSIC
RM:音楽に対する愛情と理解度がなければ、結局はこの仕事を長く続けられないし、やったとしても苦しくなるはずなんです。だから苦しんでほしくないと思いました。一緒に活動するチームの皆が、「僕はバラードが好きなのにどうして『No More Dream』みたいな 曲をやっているんだろう」と思わないでほしいと願いました。
RM:K-POPアーティストは誰よりも能動性と主体性を 強調する人達ですよね、ステージで。「僕は自由だ」と。それが自律と責任なんです。
SJ:今考えてみたら、ナムジュンを見て皆がどんな根っこを持つべきか 気づいたんだと思う。
RM:んー、感動なんですけど。
SJ:それが音楽に対する情熱であれ 愛であれ、この仕事をする時。
RM:そうです、それがなければならないんです。
SJ:この仕事をする時 それがどれだけ逆風が吹く中で、強く自分を支えてくれるかをナムジュンを見て 知ったような気がする。
それで今思うとその話を 私がたくさんしているんだと思う。悩んでいる子たちに。この仕事を通じて何をしたいかを 見つけなければならない、またはそれがどこから 始まったのか(を知るべきだ)。
RM:そうです
SJ:その気持ちがどこから始まって ここまで来たのかを探って、それがどんなに価値のあることか 判断しなければならないと。
SJ:以前のトレーニングシステムには 多くの限界があったので、新たな答えを探るために努力しました。そうして見つけたHYBEだけの答えは自律と責任、そして会社との健全な信頼関係でした。
RMの姿勢についてはこちらも。
RM:僕は本当に重要なことはとても才能があってかっこいい子たち、きれいで上手な子たちがとても多くて僕もいつも感嘆しながら見ていますが、良いアーティストになるには僕は結局はまず良い大人に ならなければならないと思います。
シンCEOは2023年の中央日報の書面インタビューでもこのあたりのことを語っています。
Q:基本的な素養と人格教育を強調する理由があるのか
SJ:経験と考えの拡張を通じて自ら判断する力を育てたいハイブの哲学が最も大きく影響を及ぼした。 アイドルは多様な文化圏のファンに会うことになる職業なので、大衆に及ぼす影響力が大きい。 その分、練習生が情報を正確に理解し、自ら判断できるように多様なプログラムを支援している。また、一つのグループに多様な文化圏から来た友人たちが一緒に生活しているため、お互いの文化に対する理解が重要だという考えで教育を始めた。 今は国や地域を離れ、お互いの性向や行動に対する違いを理解し、どのように疎通して共にすべきかを学ぶ時間としての意味もある。
企業としてのハイブがこの理想通り行っているのかどうかはともかくとして、BTS全員除隊後の再集結、花様年華10周年を迎える2025を前にして、RMやメンバーと理念や価値観が一致し、信頼関係のあるこの方がレーベルの新CEOになったのは喜ばしいですね!