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BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

ハイブはIT企業かエンタメ企業か/朝鮮日報コラム


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こちらの訳です。こちら↓と同じ記者さん。

BTSが戻ってきたハイブ、NewJeansが去れば、株価と投資家たちは? /朝鮮日報記事 - はちみつと焼酎

4月の記事でこのあといろいろ事態は動いてますが、割と本質的なはないかなと思います。

ベミン*1ネクソン*2、そしてハイブ

イ・ヘウン記者
 2024.04.29.

 

まず、質問を一つさせていただきます。 アプリ「ベミン(配達の民族)」を開発した「優雅な兄弟たち」の創業者キム・ボンジンとガールズグループ「NewJeans」を作ったADORの創業者ミン・ヒジンの中でどちらがより偉大な人ですか? 2つ目の質問です。 ネクソンがゲーム「風の国」を開発することと、ADORが「ニュージンズアルバム」を製作することのうち、どちらがより難しい仕事でしょうか?

正解は「比較できない」です。 当たり前じゃないか、ですか? いいえ。今のハイブの状況はこのような感情が土台になって、膿が出て起きた問題なんです。

株式市場では、エンタメ株は「ギャンブル株」と呼ばれます。 誰にも予測できないからです。 デビューしたアイドルグループが「BTS」のように成功すれば、あっという間に時価総額は8兆ウォンになります。 反面、涙の会食映像や熱愛説だけでも一日で時価総額2兆ウォンが溶けたりもします。

パン・シヒョク議長が2021年「Big Hit」から「HYBE」に社名を変え「エンターテインメント」という文字を取り除き「総合ITプラットフォーム企業」を宣言したのもこのためでしょう。 アーティストだけに依存する事業構造ではなく、コンテンツやITサービス、流通へと拡大するということ。

このため、ハイブは役員陣をIT出身者で埋めました。 ミン代表が実名を挙げて批判したパク・ジウォン代表取締役ネクソンCEO、チョン・ジンスCLOはNCソフト首席副社長、パク・テヒCCOは「優雅な兄弟」広報室長、キム・テホCOOはプラス代表取締役出身です。 ミン代表はスカウトされたCラベルのうち、ほぼ唯一のエンタメ業界出身です。

パン議長のビジョンが間違っていたというわけではありません。 しかし「ITライン」と「アーティストライン」がぶつかり、その過程が外部に明らかになったということです。

「ITライン」は「アーティストライン」が会社経営をよく知らないと思ったはずです。 「アーティストライン」は「ITライン」が創作の苦痛をよく知らないと思ったのでしょう。 互いに異なる分野の人々が集まってハイブが目指したように「連結と拡張、関係」ができればシナジーが生まれたでしょうが、そうなるための、お互いへのリスペクトはなかったようです。

これは、ハイブが配布した報道資料とミン代表が発表した記者会見からも見て取れます。 ハイブは(おそらくITラインが主導して作成した)報道資料で「ミン代表が経営権奪取を試みた」として会社とシステムに害を加えようとしたと主張します。 反面、ミン代表は「私の創作物が攻撃された」と主張します。 アーティストとアルバムの話をするときもハイブは「会社の資産」と話し、ミン代表は「我が子たち」と話します。 お互いに価値があると思うことが違うからです。

今回の事態の決定的な火種になった「株主間契約」も同じです。 契約草案を作成した彼らは「(IT業界の立場で)この程度なら良くしてやった」と考えたはずです。 しかし、エンタメ業界で働いたミン代表の立場では「とんでもない奴隷契約」だと思ったのです。

それでは草案からエンタメ業界のやり方で書けばいいんじゃないかって? そうするには前例がありません。 国内のエンタメ業界の上場企業は多くありません。 ミン代表のようにグループ内で系列会社を作って、これだけ早い時期に黒字に転換したレーベルもありません。

では最後の質問、ハイブはIT企業でしょうか? エンタメ企業でしょうか? 第三者の立場では、私はそれでもエンタメ企業だと思います。 HYBEの基本プラットフォームであるWeverseシステムが止まるより、アイドルメンバー1人の熱愛説がさらに大きく株価に影響を及ぼすでしょう。

ゲーム業界では、私がゲームをたくさんするヘビーユーザーなら、入ったお金と時間がもったいないので、新しいゲームが出ても簡単に乗り換えません。なので会社はゲームを快適にできるようにするだけです。 しかし、エンタメ業界は異なります。 昨日までアルバイトでお金を稼ぎながらオタ活をしたとしても、今日のあるライブ放送での失言の一言で、心が背を向けることができます。 好きなアイドルのメンバーができる過程も同じです。

「配達の民族」と「クーパンイーツ」の競争のように、どちらの配達料がより安く、使用環境が良いかは重要ではありません。 会社のプラットフォームがめちゃくちゃであっても、歌手が好きで、音楽さえ良ければその大変さに我慢してファンで居続けます。Big HitのBTS伝説はこのように作られました。

今回のハイブ事態で大衆の心がミン代表に傾くのは、衝撃的な記者会見のドーパミン効果もありますが、「今、ハイブでは音楽が中心になっていないんだな」ということを感じたからです。 ミン代表を監査する進行過程は、クリエイターに対する最小限のリスペクトさえないように見えます。

かつて「グッチの女神」と呼ばれたフリーダ・ジアニーニは10年間クリエイティブディレクターを務めた後、2015年に退任しました。 当時はグッチとジアニーニを別々に考えることもできませんでしたが、彼女はコレクションも途中で諦めて静かに出かけました。 業界ではオーナーとの不和説が噂されましたが、誰もこれについて言及しませんでした。 代わりにグッチはアレッサンドロ・ミケーレを内部昇進させて新しい顔にし、この戦略は成功しました。 服は企業が作りますが、ファッションを作るのは人ですから。

音楽も同じです。 レコードは企業が作りますが、音楽は人が作ります。 会社がより強調されているクリエイティブ産業は成功できません。 資本とシステム、人脈だけでエンタメ業が成功するなら、大企業がやらないはずがありません。

前置きが長すぎました。 ヒップなものをご紹介する「ここ、ヒップだね」の本論を始めます。 ハイブの経営陣の事態よりもっと注目されてほしい話です。

今月27〜28日、ソウルワールドカップ競技場ではグループ「SEVENTEEN」のアンコールコンサートが開かれました。 これを皮切りに来月18〜19日は大阪ヤンマースタジアム長居、同月25〜26日は神奈川日産スタジアムでファンに会います。 日産は1回あたり約7万人が参加できる日本最大規模の会場です。

今日、29日にSEVENTEENのベストアルバム「17 IS RIGHT HERE」が発表されます。 アルバムには団体曲「マエストロ」を含め、新曲4曲が盛り込まれました。 私は公演場で事前に新曲を見てきました。 10年目のアイドルグループがこんな群舞だなんて! 期待してもいいと思います。

先立って26日にはZICOがBLACKPINKのジェニーと新曲「スポット!」を出しました。 公開されるやいなやメロン「トップ100」とジニー、バグスのリアルタイムチャートで一斉に1位になり、iTunesでは31ヶ国で1位、中国最大音源ストリーミングプラットフォームQQミュージックでもリアルタイムチャート1位を占めました。 ミュージックビデオはYouTubeに公開されてから1日で再生数1143万回を記録中です。 ZICOとジェニーのヒップな感性がそのまま溶け込んでいます。

27日午前0時、ADORのNewJeansも新しい曲「Bubble Gum」で戻ってきました。 初夏の海辺の清涼感をそのまま表現した曲です。 来月24日に発売される「How Sweet」の先行公開曲です。 NewJeansはこのアルバム活動を皮切りに6月26〜27日の東京ドームでのファンミーティングも準備されています。

NewJeansのミュージックビデオも1日で再生数1086万回を記録しました。 現在、YouTubeの「人気急上昇」音楽1〜2位はジコとNewJeansが二転三転しています。 どちらもチャンネルは「ハイブレーベルズ」です。

26日、ソウル城東区聖水洞ではBTSとARMYの大切な記憶が詰まったポップアップストア「モノクローム」がオープンしました。 BTSの白黒写真などが初公開されるということです。 来月12日まで行われるこのポップアップは今後、日本・インドネシアアメリカ・タイなどでも開かれる予定です。

来月24日には、BTSのメンバーRMの新譜「RightPlace, Wrong Person」全曲の音源とタイトル曲のミュージックビデオが公開されます。 全11曲が収録される今回のアルバムから、半分に近い5曲のミュージックビデオが制作されました。 豊かなサウンドを誇るオルナティブジャンルの音楽で、RMが全曲の作詞に参加したそうです。

そして、このすべての作業には数多くの職員たちの汗と努力があります。 エンタメ業界は、年収が少なく、WLBが悪いことで有名です。 それでも彼らが仕事をするのは「この仕事をしている」という自負心のためです。

私はアイドルグループの制作者にインタビューするときに「お父さん」や「お母さん」「おじさん」といった表現をよく使います。 アイドルメンバーが練習生として入ってくる年齢は10代前半や半ば、人生で最も重要な時期に学校や家と距離を置きながら、芸能事務所のカリキュラムに従って動くからです。 彼らにとって、プロダクションは学校であり、家庭であるしかありません。

アイドルは政治家よりも高いレベルの道徳性を強いられます。 先日は、あるアイドルのメンバーが悪口を言ったかどうかで大騒ぎになったりしました。 若いファンに大きな影響を与えるからだということなんですけれども。 ところで、芸能事務所の大人たちがこのように全国民の前で泥仕合をしている姿を見ているアーティストやファン、社員たちの気分はどうでしょうか?

どんな瞬間にもKポップアーティスト、ファンと職員が傷つくことがあってはならないということ、パン・シヒョク議長とミン・ヒジン代表、ハイブ役員陣の皆が同意することでしょう。 今回の問題の解決方法はたった一つだと思います。 2019年のMAMA授賞式で、BTSのジンが受賞の感想で言った言葉です。

「みんなが正直な方法で良い音楽を作るのはどうですか? 良い音楽を出して、良い音楽を聴く時代が来てほしいです」

 

*1:배달의민족(配達の民族)。食品配達アプリ。

*2:넥슨は、オンラインゲーム開発会社。メイプルストーリーの会社です。