はちみつと焼酎

BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

BTS・SUGAの飲酒運転、公平性を基にした規定が必要/キホ日報 コラム訳


こちらのコラム(2本)の訳です。

京畿道・仁川の地方紙「畿湖(キホ)日報」の車関連の連載コラム。

筆者は大林大学の未来自動車学部の教授。自動車の専門家です。パパゴで下訳。

太字はブログ主。

BTSシュガの飲酒運転、公平性を基にした規準が必要

2024.9.3.

大林(テリム)大学 キム・ピルス教授

 

(1)

最近、BTSメンバーのシュガの電動スクーター飲酒運転が世間を騒がせた。 仁川アパート地下駐車場の電気自動車火災を筆頭に、各種交通事故、火災事故が多発的に起きた中で起きた有名芸能人の事件であり、さらに関心が増幅された。 

筆者が関心を持った理由は、BTSのメンバーだからというよりは電動スクーターや電動キックボードの論争だったためだ。

交通や自動車関連事故などの様々な諮問をする筆者は、共用電動キックボードをはじめとする韓国PM*1産業協会長も務めており、さらに関心が向かった。 後に確認されたことだが、電動キックボードより重く、速度も速い折りたたみ式電動スクーターであることが明らかになり、数百メートルを泥酔した状態で運転していたところ転倒し、問題が始まった。

公人としての義務を忘れ、常に気をつけて振る舞いそのものが大事だという意識が欠けていた部分は非難されても仕方がない。 ただでさえトロット歌手のキム・ホジュンが飲酒運転後に逃げた問題でさらに大きな非難を受けた例があるように、公人の責任はより大きい。 当事者の不法行為も問題だが、最も大きな問題は、公人に対する過度な尺度がマスコミで浮き彫りになり、各種の副作用も大きいという点だ。

おそらく韓国ほどに倫理的尺度が厳格な国家は先進国の中でないだろうし、その後遺症も最も深刻な国家だと考える。 俳優のイ・ソンギュン氏の死亡事件も、このような尺度による世論の集中のせいで、結局命まで失わせた事件であるのだから。 万が一にも、今回のシュガの事件も同じ尺度で世論の集中が起きるのではないかと心配される。 最近、外信も韓国の有名人への追及に懸念を示した理由も、韓国の誤った部分が再び現れたためと言える。

政府の長官などは各種聴聞会で、家族はもちろん、姻戚に八親等まで暴き出し、Youtubeなどの各種SNSまでが、ない情報まで暴くため、本当に能力のある人物は接近さえしないというのは昨日今日の話ではない。 特に、韓国の法は随所に落とし穴が並ぶ「毒素条項」や、甚だしくは悪法が深刻なほど多く、熱心な人は自分も知らないうちに一つや二つの法を破ることが日常茶飯事だと言ったりもする。 むしろ聴聞会で特に指摘される事柄がない人は、それだけ働いていない消極的な人物だと言われたりもする。 すなわち、熱心な人はまともに仕事をすることさえ難しいほど、法的な罠が多いと周りで皮肉ったりもするのだ。

米国トランプ政府で、娘はもちろん婿までホワイトハウスの顧問をするような姿は、私たちの「父親・母親チャンス*2」のような厳格な規定とは距離が遠く見える。 韓国は最も清廉潔白な国だと、見せかけで自負するのではないかと憂慮される。 金英蘭法*3を「請託禁止法」だとし、関係のない民間人である教員と記者はもちろん、配偶者まで含むという、ほかのグローバル国家にない笑えない法を作り、慶弔費として5万ウォン以上は禁止、食事は3万ウォン以上の接待を受けることができないようにした国が正常なのだろうか。 公務員は理解できたとしても、民間人を含めて同じ規定を適用するのが正常なのだろうか。 現在、各自がこれを守って食事代を払っているのだろうか。 500万人に近くがその対象で、と同時に大統領夫人を含めた公務員の配偶者は例外とする笑いも出ないような法を実施する国家でもある。 そして改正が必要だと言う。 果たしてこれが正常なのだろうか。

(2)

BTSは誰なのか? 文化的側面で韓国の地位を世界に知らしめた当事者たちであり、その恩恵を今私たちは受けている。 私たちのさまざまな文化的要素がグローバル市場に本格的に進出した後、Kカルチャーが大きく統合される現在の状況になったのは、BTSが確かにその出発点だ。 ところが、今回の事件をめぐってマスコミなどは非常に冷酷な姿を見せている。 死罪でも犯したかのように脱退に言及し、深刻な問題にまで拡大させた。 グローバルな有名人だから、「弱みを一つ握った」という認識で否定的にアプローチしているのではないだろうか? イ・ソンギュンさんのような貴重な人材を失うもう一つの事例になるのではないか。

冷静に事件を振り返ろう。 重罪でも犯したのか? 一人で数百メートル移動していて、人身事故を起こしたわけでもなく、直接自動車の飲酒運転でもない事件だ。 まだ若く、これに対する規定を知らずに行った事故ではないか。電動スクーターに関する規定を知っている国民は果たしてどれくらいいるだろうか?

現在、私たちの法は曖昧な場合が多く、解釈に解釈を加えておかしな結論を導き出すことがある。 電動キックボードや電動スクーターは、原動機付自転車という区分に含まれることになった。 この区分も最初から間違っていた。 新しい移動手段が登場すれば、新しい器が必要なのに、昔の器に入れたせいでめちゃくちゃになってしまうことが多い。 この場合もそうだ。 PM関連規定をまとめて新たに構成し、法的処罰の条項も、量刑規定に合わせて新たに構成しなければならない。

結局今回の事件は、電動キックボードと電動スクーターは原動機付自転車に含まれていて、原動機付自転車自動車に準ずる法規を適用するということから、最終的に一般の自動車を泥酔状態で運転したと同様だという結論だ。 だから最高5年以下の懲役に処することができるという理屈なのだ。 もちろん電動キックボードの飲酒運転の場合、最も軽く、速度も時速25㎞未満に限定され、刑事処罰は免れる。 法令の解釈が次第に大きくなって「針泥棒」が死刑まで受けることに喩えるのは無理があるだろうか。この話を聞いてあきれない人はいないだろう。 一般人が同じ事件で問題を起こしたとき、同じ規定を適用するだろうか。

先日、ソウル市庁前の自動車事故で9人の惜しい命が失われたケースも、過失致死で5年以下の禁錮刑に処することができる。 100人が死亡しても同じ規定で5年以下だという意味だ。 そうすると、シュガの事故も9人の死亡事故を起こした過失致死犯と同じ量刑となる。 シュガは事故を起こしたわけでもなく、一人で飲酒状態で数百メートル行く途中で転んで偶然発見された事件だ。 英国のように、飲酒運転による取り締まり規定よりも、事故となり死傷者が追加発生した場合の加重処罰条項のような規定はどうだろうか。

だからといって大目に見ようというわけではない。 公人として深刻な過ちを犯したからだ。 しかし、先述したようにBTSの国威宣揚と類似した実績は誰もできないという側面から、不憫だと見てあげられないだろうか*4。なぜ私たちは彼らが成し遂げた実績を享受するだけで、実際には一つのミスに冷たく適用しなければならないのか? シュガに対する同情的な記事は見当たらない。 他人の不幸は自分の幸福の尺度という認識が定着してしまっているのではないだろうか。

個人が大統領賞など国家的栄光を享受すれば、その後罪を犯しても処罰規定を削減して適用する規定があるが、果たしてこの事件はこれまでの業績と比較になるだろうか。現在、シュガは罪を認め、悔やんでいる。 国威を宣揚するグローバル最高の人材を再び捨てる失敗を犯す可能性が高まっている。 必要な時だけ公平性のある法的規定に言及しながら、いざ本人はそうできないようなダブルスタンダードではないだろうか? 特に、無理に世論の注目を集めるためのマスコミ発表などを警戒する。 今回の事件は、関連法を知らない平凡な若い友人が犯したミスだと判断し、一般人と同じ尺度で判断することを願う。 これに対するバランスの取れた世論が必要だ。 今は厳しすぎる。

 

*1:Personal Mobility: 個人用移動装置

*2:아빠·엄마 찬스または부모찬스 血縁である親の名声、人脈、富、権力など社会的背景を機会にして子どもが利益を享受することを意味する新造語

*3:不正請託及び金品等の収受禁止に関する法律 - Wikipedia

*4:気持ちは分かりますが、訳者はこの部分には同意しません。国威宣揚した業績があるからではなく、法に則って処罰し、マスコミは常識的に報道すればいいだけです。「輝かしい業績があるから」もうやめろという理屈は、「輝かしい業績がある」からこそ引きずり下ろしたいという心理と表裏一体だと思います。そしてもちろん、業績がなくても過剰なバッシングやリンチはダメです。