はちみつと焼酎

BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

会いたい人、BTSジミン/BIGISSUE Korea コラム訳

BIGISSUE KOREAの連載コラム「人生はアイドルだ」が面白いので、ピックアップして訳します。筆者はKPOPコラムニストのチェ・イサクさん。Papagoで下訳してその後整えてます。元テキストはこちら。

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後記はこちら

BIGISSUE Korea ジミン編の後記/日本語訳 - はちみつと焼酎

会いたい人*1BTSジミン

防弾少年団のジミンに、どうしても目が行く。 彼の従順だが挑戦的な目つきは人を緊張させ、明るい可愛らしさと官能が共存する顔は刺激を与え、肉体の限界に挑戦し醸し出したよく鍛えられたダンサーの体は驚異を感じさせる。 ジミンが生きているフレームのなかで、一秒ごとに違う組みあわせは新しい感動をもたらし、新しさは好奇心を誘発する。だからこそジミンが無性に会いたく/見たくなる。

孤独な時代のヒーロー、ジミン

「人は可愛いものを食べたいという強い欲望があり…」。アジアン·アメリカンの人生を照らしたキャシー・パク・ホンの著書「マイナー・フィーリングス」でこの文章を読んだ瞬間、長い間苦しめられた煩悩の苦痛から解放された気分になった。 ジミンの愛らしく膨らんだ頬を嚙んで、ポケットに入れてこの世の果てまで逃げ出したい気持ちがたびたびある理由、ジミンがくしゃみする映像や特に短い小指の写真などをぼんやりと見て、そのたびに我に返る理由は、彼が私にとってとても可愛い人だからだ。 私はジミンを見ながら「可愛さ」の破壊力を体感する。 ジミンが可愛い顔でにっこり笑う姿は、ポッピングキャンディのように心をくすぐって、花火のように雄大で華やかに内心を爆発させる。

ジミンは私が世の中で一番つまらない冗談を言っても、その中の真心を見つけて全身を反らして笑ってくれると信じられる人だ。 パンデミックで活動が制限されたが、BTSの人気がより多く国境を越えている理由の一つは、ジミンの優しさのおかげかもしれない。 寂しさが社会的病気と命名される時代に、彼の優しさは各自の人生で孤立した人々を抱いて慰める。 それでジミンはいつも会いたい人であり、一緒にいたい人だ。

パク·ジミンの踊り

舞台の上でジミンは踊らず、存在する。 一編の詩のように、彼のすべての動作には絶頂と余韻がある。 1980~1990年代ニューヨーククィアたちの「ボール(Ball、舞踏会場)文化」を盛り込んだ米国ドラマ<ポーズ(POSE)>には「個人的真実のない(ダンスの)技術は何でもない」という台詞が出てくる。 舞台上のジミンが視線を捕らえる理由は、彼に「個人的な真実」があるためだ。 ジミンの人生は「私」と「私がならなければならない私」の間の果てしない試練と混乱の旅程であり、その苦痛がジミンのダンスを特別なものした。

ジミンは中学2年生の時、ポッピングで本格的なダンスを始めた。 翌年にはジャンルを変えて現代舞踊を始め、入門してわずか半年で釜山芸術高等学校舞踊科に全校首席で合格した。 限られた時間と資源の中でジミンは体の可能性を最大に活かすストリートダンスから、体を超越しなければならないアートに転換することに成功した。 この頃に体得した基本スキルをジミンは現在までしっかり守っている。 彼が現代舞踊を学んだ時間は全部合わせて2年余りだが、ジミンは依然としてバレリーノのようにV字型に足を広げて立ち、いつでも体を超越する態勢を整える。

そして翌年、ジミンは中小芸能事務所の練習生になってソウルに上京した。 K-POPアイドルの振り付けの基本であるストリートダンスとヒップホップを再び身に付けなければならず、デビュー組に入るためにはプロらしい歌の実力、大人の世界で生き残る強い精神力も必要だった。 18歳。練習生にしては、若くない年齢のジミンには時間がなかった。 彼は再び「私がならなければならない私」のために骨身を削る努力に耐え、BTSでデビューすることに成功する。 現代舞踊という独特の特技があるジミンは「無名」アイドルBTSが「どれほど特別なのか」を証明するための舞台にたびたび立たなければならなかった。 自然にジミンに短い時間で大衆を魅了するポジションが任された。 ダンスを始めた後、ジミンにチャンスはいつも一度だけで、勝負師ジミンは決定的な瞬間にいつも一発お見舞いした。

その中で最も印象的な舞台として2015年KBS歌謡大祝祭「Butterfly」(2015)のソロダンスを挙げたい。 年末歌謡授賞式の熱いスポットライト、高まった雰囲気の中でジミンは地味な服を着て一人で舞台に上がり、蝶の羽ばたきのように神秘的で魅惑的な舞台を繰り広げる。 巨大なLED画面にシルエットで咲き、まるで体の中に閉じ込められた光を出そうとするかのように凄絶にもがく彼のダンスは、当時何も期待せずに習慣でテレビを見ていた私に衝撃として出会った。 誰が何と言おうとジミンの40秒の舞台は、3時間を超えるこの日の授賞式のハイライトであり、それは大型企画会社所属のアーティストが常に主人公を引き受ける年末授賞式の場を破る事件だった。

BTSの企画会社ハイブのミュージアム「ハイブインサイト」には実物比率で所属アーティストのパフォーマンスが見られる「ムービングボディ」メディアアート展示がある。 BTSはバレエ作品「白鳥の湖」を借用したアーティスティックな振り付けの「BlackSwan」(2020)パフォーマンスを上演する。 私は2回の訪問で2回とも観覧時間のほとんどを踊るジミンを眺めることに費やした。 そして、なぜジミンから目を離せないのか、それなりの解答を見つけることができた。 彼の踊りは私のように平凡な99%の人々に「1%のインスピレーション」を感じさせる。 フランスの詩人クリスティアン・ボーヴァンは著書『歓喜の人間』でこのように書いた。 「この詩はあまりにも甘くて、本を閉じたときは私の肉体さえ失ってしまったようだった」と。 ジミンが贈るインスピレーションはあまりにも甘くて、彼の舞台を見た後、目を閉じるとまるで肉体を失ったような気がする。

ジミンのダンスと繊細で中性的なボーカルが出会うと、存在感はさらに大きくなる。 彼は幅広い表現力で多様な視点と役割を自由自在に行き来しながら音楽の可能性を拡張する。 「Filter」(2020)では「どんな私が欲しい? …好みも基準も越えて君はただ僕だけを望むようになる。」として心を多彩に染める誘惑者になり、「Intro:Serendipity」(2018)では「僕は君の三色猫、君に会いに来た。」と猫になって愛の神秘を歌う。 「Lie」(2016)では「純潔だった私を探して…罰せられる私を助けて」と絶叫し、救いを求める。

ジミンは「人間パク·ジミンではなく、芸能人でありたいです」と話す。 「BTSジミン」にファンが期待する姿を完璧にやり通しし幸せと喜びを与えたいと話す。 それでジミンはいつも厳しく自己管理をし、実力を発展させる。 ジミンは生まれつきだが、それだけの根性を持っていつも努力する。 デビュー10年目の歌手だがボーカルトレーニングを受けたという近況を伝え、数十万のコンサート席をたった数分で完売させるワールドワイドスーパースターになったが「これからもっと頑張ります」と話す。 だから私はジミンがいつも見たい。 昨日も、今日も、そしてはるか遠く遠い明日までファンはジミンを見つめ、期待して、応援して、愛するだろう。

*1:보고싶다…会いたい・見たいという意味