③です。
ファンには興味深いデビュー時の話、メンバーへのインタビューも出てきます。
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成長の物語としてのBTS
アナウンサー:過去、どんな時代でもその時代を代表するアイドルが常にいました。(中略)BTSはこれまでのアイドルといったい何が違うんでしょう。
パンPD:とても難しい質問をしていただいたみたいです。その質問に答えるために、初めてBTSのメンバーに出会った頃の話をしたいです。
パンPD:(写真を見て)わたしも朝リハーサルで見て笑いました。
私はRMの曲を初めて聞いた瞬間をまだはっきりと覚えています。テーマを扱う思考の深さと言葉づかいの流麗さ、韓国語でラップするときの創造的な方法などが17歳という年齢顔負けで優れていて、曲を聴かせてくれたPDのPdoggに「すぐこの子と会えるよう手配してくれ」と言った記憶があります。
ばかみたいに思われるかもしれませんが、「こんな実力を持つ子を放ってはおけない」と、一種の使命感のようなものが生まれたのは確かです。
またJ-Hopeは当時、地方ででダンスがうまいと定評があった子ですし、ジミンも芸術高校で首席入学した秀才でした。7人のメンバーがおのおの才能と実力を持っていたし、これを基盤にして本当に格好いいものをつくってみようというのがBTSの始まりでした。
内面にある物語を
パンPD:私はBTSという子たちが「ぴかぴか輝く格好いいスター」から、もう一歩進む存在になることを望みました。
ファンたちと人間対人間として、緊密にコミュニケーションしながら、善なる影響力を与えあうことができる、垂直的ではなく水平的なリーダーシップの取れるアーティストになることを望みました。それでBTSと最初のアルバムを作り始めたときから、彼らに求めたことが一つだけありました。
BTSの音楽はBTSの内面にある物語にならないといけない、ということです。
BTSが初期にリリースした歌の大部分が学校についての話だったのも、当時彼らのうち多くのメンバーが学生だったからです。
当時は、「いまさらどうして学生たちの反抗みたいな話をコンセプトとして出してくるんだ」「古くさいコンセプトだ」と批判もたくさん受けたようです。
共感の声
パンPD:でも私は彼らが自分の話をすることが何よりも大事だと考えました。そして、噓のようにある瞬間からファンが増え始めたんです。BTSの音楽に共感するという声とともに、です。
(海外ファンの集まりの様子などのVTR。省略します。)
ナレ:海外ファンたちは口々に音楽に込められたメッセージに共感しているという。
V:皆さんご存知ないでしょうけれど、デビュー初期に歌詞を全部書きました。
RM:Outro:Circle room cypherの時だったよ。みんないっしょにやってみよう。自分たちでやってみたのが入るともっと良いから、そうすればもっと真心が伝わるからって、そうやって雰囲気を作って行ったんです。
JK:僕達の究極の目標は、いつか未来にアルバムが出た時に全曲(ジョンゴッ)僕達の手で作って…
RM:ジョンゴギ、ジョングギ~
SG:全曲(ジョンゴギ)お前の曲だったらいいな
ナレ:デビュー初期からメンバーたちが直接歌詞を書き、作曲に参加した音楽はBTSの成長物語そのものになった。
SG:僕たちの話をしたという点が、最初の共感層を作ったようです。10代、20代、30代、40代、50代が考える、誰かがしなくてはいけない話を、誰もしていなかったので、僕たちがしたことで多くの人たちが共感してくださったようです。
RM:僕達がいま何を感じているかが1番重要なので、僕達が感じてないことを語るよりも、僕達の状況や気分を元に多くの絵や音楽の基本の土台を作ったと思います。
ファンとの関係
ナレ:BTSのアイデンティティーは自分たちの話を音楽に盛り込む過程で形成された。彼らの音楽はメンバーたちがいま感じている感情と経験から始まる。
RM:Spring Dayの場合は友人たちに贈る曲なので、友人たちが僕を心配してくれて言ってくれた言葉、そして僕にくれた慰めやお祝いそんなことを考えながら、僕が今その友人たちに会いたい気持ちとそんな大切な人たちを思う気持ちで、まずラップの最初に「会いたい」と書き始めたんです。
自律型アイドル
ナレ:専門家たちは彼らの自律性と創意性に注目する。以前の工場型アイドルたちとは違い、自分の人生に基礎をおいた自発的な創作が世界のファンたちを動かしたということだ。
ホン・ソッキョンソウル大教授:この人たちはアイドルシステムから作られましたが、自律型なんです。外の力よりは自ら学ぶ自律学習型アイドルとでもいいましょうか。教えたというよりは、自ら好きで、または自ら開発する自分たちの声を持とうと力の限りを尽くす、そして自分たちのアイデアや意見があればそれを積極的に出して曲を書いたり、振り付けをしたり、Vライブをするんです。SNSを通じて直接コミュニケーションします。
ナレ:BTSはデビュー時からソーシャルメディアを通じてファンたちとコミュニケーションした。練習、録音過程、平凡な日常をファンと共有した。そんな疎通を通じファンとBT S共通の音楽的な物語が作られた。
ホン教授:アイドルですが、「僕たちは自発的で、正直で、自分たちの姿をそのまま出している」ということを納得させるのに成功したんです。
世界のファンたちがあまりにそれをよく分かっています。だから(過去には)音楽を消費しながらも「自分はアイドルファンなんだ」と気軽に言いにくい何かがあったんです。でもやっとアーティストシップ、ヒップホップで求められる真正性、クリエイター自身の声を出さないといけないんですが、それで芸術性、アーティスト性を得るのに成功したんです。
成長という価値
パンPD:BTSの世界観は成長という価値に大きな重さを持っています。アーティストとしての成長ですし、同時に社会の構成員としての成長です。
夢を見る平凡な学生だった若者が、アイドルとしてデビューし、夢とは違う現実に挫折もし、だんだんとスターになっていくいろんな過程を経ながら彼らが経験した率直な悩みが音楽に込められています。こうやって彼らの内面を表現するメッセージが同じ世代を生きているファンたちの心に届き、そのおかげでいまのような良い結果を得たんだと思います。
これから私がすべきことは、BTSの継続的な成長の物語を続けられるように助けることだと考えます。
そして私たちが経験した、貴重な試行錯誤たちをフィードバックし具体化して、自分たちだけのモデルをつくっていくことが大事です。
多くの先輩アーティストたちや様々なチームがBTSに道を開いてくれたように、BTSもその次の道を開ける役割を果たせるよう願います。
グローバル市場でKPOPが完成度のある一つのジャンルとして確立するのに小さな寄与ができれば、一番嬉しいことです。
質疑応答
グローバル市場でのKPOP
Q:この先のグローバル市場でKPOPが一ジャンルとして完全に場を占めるにはどんな要素が必要なのかおたずねしたいです。
パンPD:今私が出した結論は、まずは量的な成長が最も重要だということ。簡単にいうと、いまBTSがアメリカ市場で、メインストリームが注目しないといけないほどのな結果を出したからこそ、KPOPが固有のジャンルなのかについての議論も出て来たように、BTSだけではなく、多くのKPOP歌手たちがアメリカ市場で、結局アメリカがグローバル市場と同等なので、そこで意味のある結果を出せば、それについて大衆と評論が何らかの定義をつけてくれるだろうと。
トレンドへの感覚
Q:私は30代の職業人でいまコンテンツを企画する仕事をしているので、パンPDが各分野のトレンドを作品に込めないといけないということにとても悩みも多く、重要な要素だと思うんですが、その感覚を失われないために、どんなノウハウがあるの、共有してください。
パンPD:最近本当にそのことを考えるんですが、人はぜぜ思考が閉じてしまうんでしょうか。若い頃からトレンドを追いかけている人が、ある年齢から思考が閉じていくのを見ながら、かつては、ただ歳をとったんだな思ってたんですが、私自身が歳を取りながら、非常に怖いと思いながら見ています。もし若い世代が語る話があって、それに自分が同意できないなら、勉強してでも合うところを探すべきで、「彼らは世間知らずでそうなんだ」というのは違うと思うんです。結局は、自己規制と警戒心じゃないでしょうか。世界に対し閉じた思考をしないでいようという。今私がお答えできるのはそのぐらいのようです。ちょっと不十分なお答えで申し訳ありません。
音楽に集中する
Q:BTSが記録を立てていますが、これからどんなグループになって欲しいですか
パンPD:私たちが1番良く話したのは、成績や記録に恋々としないようにしよう、音楽はオリンピックじゃない、何位になってどんな記録を出したかを話し始めた瞬間に、私たちは音楽をする人じゃなくなる、というような話を1番良くしたようです。また加えて私たちがそういう態度を見せた瞬間、ファンたちもまたそう動くしかなくなるんですが、これはファンと歌手がコミュニケーションする良い方法ではない、僕達は常に自分たちがどんな音楽をするのかに集中して、どんなメッセージを投げるかに集中しよう、そしてそのメッセージはできるだけ正直な物だったら良い。それから、それが社会的に悪い影響を与えなければ良い。そんな話を1番たくさんしていたんです。これまでやってきたことを、これからも一生懸命やろう、というのが私の気持ちですし、これからもそうなりそうです。
新しい時代を 締めの言葉
47:55
パンPD:20数年前、KPOPという単語が登場したときに、その限界を語る人がたくさんいました。告白したように、私も最初はその1人でした。しかしKPOPは私たちがまるで想像もしなかった姿で、今私たちの前にあります。世界各地の数多くの人たちが、KPOPを一つの文化として楽しみ、アーティストに熱狂しています。もちろんまだ克服し、補完しないといけないことがたくさんあります。しかしKPOPが持つ、脱言語的で直感的で複合的な特徴は、現在の音楽をより豊かに、多様にする底力があると信じています。数多くのアーティストたちは今も自分だけの色を出した音楽を作り出すために、新しいチャレンジを休みなく行なっています。そのチャレンジたちが、KPOPのまた新しい時代を開く未来を、私もまた期待し、備えます。
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以上です。おつきあいありがとうございました!
※訳している途中で、質疑応答部分で別の動画をみつけたので、そちらは番外として後日訳したいと思います。内容は、BTSユニバースの楽しみ方、メンバー内での葛藤をどう解決したかという話です。