はちみつと焼酎

BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

私が落ちたラビットホール

こちらのエントリーで紹介したホン教授のウェブセミナーに参加し、著書『BTSオン・ザ・ロード』も読了。

ホン教授はBTSの戦略として「トランスメディア」というのを重視していまして、そこではまる人が多いという話だったんですが、まさに私のことでした。

出会ってビビッと来て沼にドボン、でもなく「救われた!」的な感動的な話でもないのですが(いや、救われてる部分はあるか)、ホンさんの話を聞いて「じわじわと、そしてまんまとはまった」って話なら書けそうです(RMもどうやってアミになったのか知りたいって言ってたしね!)。

記憶と検索を頼りに記録しておきます。

 

 ある在日コリアンと韓流との付き合い

遡るとヨン様ブームを経験し、KPOPでは少女時代なんかを横目で見ながら過ごしてきました。「冬ソナ」「チャングム」などNHKで放送されたドラマは見たし、映画も好きなので割と見ていましたが、KPOPを聞いてこなかったのは、「アイドル」が自分に無縁のものだという感覚があったから。

アイドルには興味はありませんでしたが、韓流という「現象」にはずっと興味がありました。

在日コリアンを長くやってますが、ヨン様ブームのときに「韓国の男に夢中になっている」女性たちの熱量にまずびっくりしたし、10代の子たちにKPOPが流行り、「ハングルが可愛い」「韓国のものがオシャレ」と憧れる対象になったことにオールド在日は頭がついていけない…という感じです。

同時に、韓流がいくら盛り上がって多少韓国のイメージが良くなっても、在日コリアンへの差別の解消には全く役に立ってないよね…と冷めた目で見ていたのも確かで、そんな話を在日仲間(そのなかには熱心なKPOPファンもいました)で愚痴ったりしたものでした。

それでもYouTubeITunesのおかげで、KPOPも少しずつ聞くようになりました。当時「発見」して好きになったのは2ne1ですね。楽曲の完成度の高さと、KPOP特有の過剰さがちゃんとカッコ良くなっているところが好きでした。いまもCL姐さんは好きです。*ちなみにこの頃一番はまっていたのはKPOPでなく星野源。「逃げ恥」きっかけ。

 

頭から入るタイプ

「血、汗、涙」の日本リリースが2017年5月。このころ地上派のテレビで彼らを見るようになりました。で、そのころ

  • アメリカや世界中で人気
  • 考えや発言がアイドルなのにしっかりしている

という情報が同時に入ってきました。確か以前からK-POP好きな在日友達に聞いたんだったかな。

「血、汗、涙」を見たときの印象は、「派手だなー、化粧してるなー、KPOPって独特だよな」という感じ。もちろん上手いなとは思いましたがKPOPってみんな上手いから。

そしてその年のAMAのDNAのパフォーマンスを見たのですが、彼らのパフォーマンスよりもファンたちの様子に目が釘付け。「一体何が起きてるの?」と。だってアジア人の男性にアメリカの女子がキャーキャーいってるなんて、想像もしたことなかったですから。

youtu.be

その後

  • UNでのRMの演説
  • メンバーの誰かが高校生のときに光州民主化運動のことをテーマに曲を書いた

という情報が入ってきて、「そうかそうか、なかなか見どころのある子たちじゃないか」と思い、漠然と「応援したい」という気持ちが大きくなってきます。ただ、元々イケメンへの感度がそれほど高くないので、メンバー個々人への興味は薄いというか、RM以外はちゃんと区別がつきませんでした。まだまだ自分が「アイドルにはまる」とは夢にも思っていません。

ちなみにその頃の彼らへの印象はこんな感じ。

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MIC DROPで本格的にMVを見始める

「あれ、アイドルっていうけどちょっと違うんじゃないか?」と思い始めたのはNHK「SONGS」で聞いた「MIC DROP」からでした。

www6.nhk.or.jp

日本のテレビで韓国語で歌うのが珍しかった頃。そしてこの放送では日本語字幕がついていたんですけど、その過激さにびっくり。「こ、これをアイドルとして歌うグループなのか!」と。パフォーマンスも爆イケでした。

「これはちゃんと見なきゃ」と思って、改めてMVを見始め、その世界観、アートワークなどに圧倒されていきます。

このころアメリカの音楽専攻の学生さんたちがK-POPにリアクションするYouTubeチャンネルをよく見ていたので、そこも参考にしつつ。

youtu.be

 一番好きだったのは「NOT TODAY」ですね。スケールの大きさとそのメッセージはほとんど「バチバチの抵抗歌じゃん」と思ったものです。

 ここから多分ほとんとの人が陥るだろう「とにかく大量の動画を見まくる」旅が始まります。

トランスメディア戦略

ちょっとここでホンさんが話していたBTSの「トランスメディア戦略」と関わってくるので解説。

トランスメディアストーリーテリングは、現在のデジタルテクノロジーを使用して、複数のプラットフォームおよびフォーマットにわたって単一のストーリーまたはストーリー体験を伝える技術


ホンさんによると、日本や台湾、韓国ではこれまでも漫画原作が映画化・ドラマ化するなどの「クロスメディア」はあった。しかしトランスメディア戦略はより内容が複雑になり、消費者たちの解読・共同作業を引き起こすのだと。

ご存じ、花様年華に代表されるBU(バンタンユニバース)は3層から成り、

  1. 公式の音楽やMV
  2. BTSメンバーとしての日常(BOMBやRun!BTS)
  3. 芸能人ではない個人の姿

この3層が重なり合っているのが特徴とのこと。

SMのアイドルたち(EXOやエスパ)も、独自の世界感を持っているがあくまで純粋なファンタジーBTSは虚実入り乱れたトランスメディア戦略を採ったことが、ほかのKPOPアイドルとは違ったということです。

 

1.はフィクションを作っている層。解釈に正答があるものではない。ここでいろんな謎解きをすることを通じてファンダムが固くなると。

2.の部分の供給は大量。ここで一定のキャラクターとしてのメンバーのイメージが形作られる。性格やメンバー同士の関係性などファンの想像に応えるような部分。

どこまでが本当かフィクションかが分からない部分でもある。謙虚な姿や食べるのが好き、方言でギャグを飛ばす…などのキャラ。

ほかのエンタメ会社もキャラクターの分配やイメージ作り、ファンの求めるイメージに合わせてやっていく。フィクションとリアルが絡まってるところ。

3.は、メンバーではない自然人としての姿。SUGAはその部分をミックステープに込める、RMは自転車に乗り、美術館を巡る。J-hopeと光州の関係、テヒョンとお父さん、ジンとお母さん、ジミンが練習の虫であること、など。

 

さて、この時点で私は1.の層を主に見ていて、それだけでもすっかり夢中になっていたわけですが、ただ花様年華のフィクションを「面白いな」とは思っても、そこにははまりませんでした。リアルタイムじゃなかったせいかも知れません。

そして徐々に2.の部分の魅力に気がついてしまいます。

ラビットホールとしての育成ゲーム

客観的に振り返ると、すでに相当はまりつつ、主観的には依然として「彼ら結構良いよね」「曲もMVも好きだよ」ってな感じで余裕こいてた私ですが、新しいゲームのニュースを目にします。

これが私が落ちるラビットホール(=トランスメディアにはまる仕掛け)になりました。

btsw.netmarble.com

 リリースは2019年6月21。その一カ月ぐらい前にダウンロードの予約をした記憶があります。

 

2010年スタートの設定で、メンバー各人のオーディションやスカウトなどから、マネジャーとして彼らの旅路を見守り励まし、共に仕事をしていきます。カードを集めたりゲームをクリアしていくものなんですが、ゲーム中のエピソードや交わすやりとりなどを通じて、彼らがワールドスターになっていく過程を追体験し、各自のキャラが分かってくるしかけです。めちゃ初心者に優しい。

 

ゲームを進めながら「ナムジュン素敵、ユンギのツンデレたまらん…ジンさん面白い、ホビ楽しい、ジミン優しい、テテ魅力的、グク可愛い…」と夢中になりつつも、「まあこういうキャラ設定でいくってことなのね」と抵抗していました(笑)。

でもこのころから手を出し始めたファンメイドの動画を見るに従って「本当にこのままなんだ…」となっていきました。そして「関係性萌え」という新たな感情を発見します。

降参です。生まれて初めてアイドルオタクになりました。

 

語り初めて一丁上がり

 一通りメンバーのキャラや関係性を把握してからの彼らの印象はこんな感じ。

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  • ファンクラブ入会
  • ファンミーティングに参加
  • グッズ交換がしたくてTwitter専用アカウント設置

など順調にはまっていきました。

現在閉鎖しているブログにも彼らの魅力を熱弁しているエントリーを書着始めていました。ほとんど読まれてないブログでしたが、書かずにはいられなかった(笑)。日付を見ると2019年7月。今読むとちょっと違うなと思う部分もありますが、記録として転載。

RM

 メンバーのなかで一番最初にいいなと思ったのは彼です。賢い人が大好きなんですよね。ラップする姿はカリスマがあります。リーダーらしく公式の場での発言に安心感。年功序列が厳しいなかで、4番目でありながらリーダーの役目を果たすのは大変だろうなと思うけど、これからも精神的支柱として頑張っていただきたい。ファッショナブル。何でもできそうなのに料理が苦手だったり、モノを壊しがちで「破壊神」と呼ばれてるの笑います。

JIN

 一番アイドルらしいルックスに身のこなし。文句なしのイケメン。ただ私がメンクイじゃないこともあり、パフォーマンスでもあまり印象に残ってなかった。というかジョングクと見分けがつかなかった。でも、バラエティー番組やメンバー同士のやりとりを見ると、非常に愛嬌があります。ハンサムが嫌みじゃない。一番年上なのに、偉そうじゃないのも好感度アップ。それでいてお兄ちゃんらしい気遣いもあったり。

SUGA

 こういう顔好みなんですよ…笑うと可愛いところも、油断するとダサくなるところもw。ラップかっこいいですね。あとSURANのWINE、彼のプロデュースと知らずに気に入って聴いてました。クリエイターに弱い私。彼は慶尚道大邱出身なのに、高校生のときに光州民主化運動をテーマにした曲を作ってたりするのもぐっときます(地域対立がものすごい)。クールで塩対応なところと、おちゃめで熱いところのギャップがたまりません。

J-HOPE

 最初にBTSを見た番組で「ダンス番長」みたいな紹介のされ方だったと思う。その通りダンスが半端無くキレッキレ。足が長い。アンパンマンのパフォーマンス大好き。ラップは未経験だったらしいけど、上手い。声が良い。いつもニコニコしてるのが素敵。優しい性格なんでしょうね。安心感があります。おおらかだけど無神経じゃない。一緒に暮らすならこういう人がいいです。

JIMIN

 ダンスがとにかく色っぽい。体の線がものすごく綺麗です。Blood, Sweat and Tears のMVはダンスに加えてあのまなざしにやられます。表現力の塊。彼のダンスは一度生で見てみたいです。ゲーム内のジミンは可愛いです。おとなしくて庇護欲をそそる感じ。そして真面目な性格は実際もそうらしく、とにかく努力家らしい。ますますダンスが尊い

V

 低音が魅力のテテ君。星野源ファンということで早くから認識してましたが、そうじゃなくても彼はなんだか目立つ。カリスマがあります。ものすごく整った顔立ちというわけじゃないけど、言動も含めて危うさが魅力になるタイプですね。天然とか四次元とか言われてますが、繊細な感じもするよね。良く見つけてきたなと思ったら、友達についてきたオーディションで発掘されたとか。Fuuu!

JUNGKOOK

 黄金マンネ(末っ子)。顔もスタイルも完璧なうえにあまりに何でも出来すぎてまぶしい。メンバーみんなよくあれだけ踊りながら歌えるなと思うけど、彼は飛び抜けてピッチが安定しています。身体能力めっちゃ高いんですね。私の場合、こういうタイプ単独では惹かれないんですけどw兄たちに可愛がられているところは萌えます。これからもっと個性を出すようになれば最強では。成長に期待。

 

 こうやってTwitterやブログで熱く語り始めたら一丁上がりです。

honeysoju🧈🐱 on Twitter: "バンタンメンバーたちの初印象と今。 修正して追加しました。… "
ユンギ推しになった理由はまた次の機会に(あるのかな…?)