今年初め、バレンティノのグローバルアンバサダーになった。 より近くでブランドと交感しながら感じた接点がありそうだ。
音楽を作る時、柔軟性を重要視するが、ヴァレンティノとコミュニケーションしながら一緒に働いてみて、柔軟さが感じられるブランドだという印象を受けた。 それで一緒に働くのが楽しかった。 周りからよく似合うと言われているが、その部分も満足できるし。
今日撮影したコレクションピースの中で一番気に入ったスタイルは何か?
ベージュカーディガンにグレーパンツをマッチしたルックが一番良かった。 もともとカーディガンをあまり着ない方だが、試してみたら割と大丈夫だと思った。 新しいスタイリングを一つ学ぶことになった。
バレンティノから音楽に繋げると、どんなジャンルが思い浮かぶだろうか?
バレンティノにはロックスターの感じがある。 挑戦的なハードロックサウンドもよく似合うけど、最近のコレクションはトレンディなロックがよりよく似合うようだ。 ドラムベースのロックサウンドよりは、ヒップホップ要素が少し加わった形というか。
では、SUGAの音楽の話をしてみよう。 初のソロワールドツアーを控えている。 どんな方向性を置いて準備しているのか?
あまりにも前から準備を始めたので、方向性のような表現が慣れない感じだ(笑)。
実はソロツアーを開くことにした時、自己実現やソロとしての成功が主な理由ではなかった。
いつも7人のメンバーが一緒にするのがベストだろうけど、物理的に難しい状況なので始めた形だと思うからだ。 ファンがツアーを長い間待っているので、その願いに対する恩返しとして準備したツアーだ。
BTSのメンバーとしてすでに世界中を回ったが、一人旅は様々な面で違うように感じられそうだ。
7人分を一人でやらなければならないので、ライブの練習にもっと集中するようになる。 歌詞をよく忘れる方なので。(笑)歌詞暗記にも心血を注いでいる。
ツアーは初めてだが、以前からソロとしてミックステープを発表したり、他のミュージシャンと協業したりもした。 このようにソロアーティストとして音楽作業をする経験がBTSの音楽作業に影響を及ぼすこともあるのか? これとは逆にBTSの音楽がソロアルバム作業に影響を与える部分があるのかも気になる。
僕のすべての音楽制作の最初の前提は、BTSの音楽を作ること。 これは変わらない事実だ。
なのでソロ活動がBTSの音楽に役立つとか、その逆にBTSの音楽がソロ作業に影響を及ぼすような関係性ではない。 それからBTSとして音楽をする時も、できなかったことはない。 僕はただ音楽をたくさん作る人。瞬間瞬間できる方法で音楽で記録してきただけだ。
これまでやってきた音楽作業の中で多くの人々の関心を集めたことの一つが韓国伝統音楽を活用した作品だ。 2番目のミックステープのタイトル曲「大吹打」に続き、今回のアルバムのタイトル曲「ヘグム」でも伝統音楽を活用した。きっかけがあるのか?
伝統楽器であれ弦楽器であれ、ピアノのような鍵であれ、すべて音楽を作るための音であり材料に過ぎない。 創作する時、大げさな意図で始めることはない。
「大吹打」は、「どうしてこんなにかっこいい素材で曲を作ってみなかったんだろう」という疑問から始まった曲だ。 伝統音楽の中でも大吹打という軍楽をサンプリングしたのは、タイトルが「大吹打」なので自然に選んだ方法だった。
SUGAの音楽に欠かせないジャンルがヒップホップだ。パン·シヒョクPDとプロデューサーのPdoggはブラックミュージックとヒップホップに識見が深い人々だ。 2人のこうした面貌がBTSの音楽に、そしてアーティストSUGAの成長にどのような影響を与えたと思うか?
幼い頃からヒップホップ音楽を聴きながら育った。 今は誰もがよく聞く人気ジャンルになったが、その時は人気のないジャンルに近かった。
今、音楽界で最も影響力のあるジャンルといえばヒップホップだが、パンPDとPdoggが時代を先取りしたんじゃないかと思う。
ただ、今の僕はポピュラー音楽をする人で、ラップをしていてもヒップホップをしているとは思わない。 ただポピュラーミュージックをしている。
もちろんヒップホップを聞いて育ったことが、ポピュラーミュージックを理解する土台になったと思う。
「BTS Cypher」シリーズPart1、Part2、Part3は今聞いても非常に強烈だ。
これらの曲には、真心から湧き出る怒りと強烈なエネルギー、何とか実力を証明しようと磨き上げたラップスキルが盛り込まれている。 韓国ヒップホップの歴史にも重要な曲だ。 時間が経った今、これらの曲を聴いてみるとどんな感想がする?
多くの方に喜んでいただけてうれしい。でも僕のラップだけ取ってみれば、少し抑えるべきだったんじゃないかと思う。(笑)
あの時はハン(恨)もあって、上手いところを見せたい気持ちが強かった。 最近の「BTS Cypher」ライブを聞いてみると、それ以前より少し抑えた感じで自然だ。
だからといって強い音楽が好きじゃないわけではない。 今回のソロアルバムにも、 すごく強烈な曲もあるし。 依然として「BTS Cypher」のような音楽を好きな気持ちが残っている。
他のアーティストと作業する時、主にEメールを通じて進行すると聞いた。 この方式を選んだ理由やきっかけがあるのか?
アーティストがお互いに会って音楽作業をするというのはメディアの幻想じゃないかと思う。(笑)会って一緒に鍵盤を弾いて録音することは、みんなが思うより珍しいこと。 曲を書いていてアイデアがひらめいて、突然会う場合もあるだろうし、もちろんそういうプロセスが好きな人もいるだろうが、僕はそんな性格ではない。
僕は電子メールでやり取りをしながら作業する方法が好きだ。 お互いにライフパターンを完全に守りながら、作業にずっと没頭できるから。 時間も節約できるし効率的じゃないか。
BTSがデビューする頃にはアイドル音楽に対する一部の否定的な視線や卑下する態度があった。 しかし、今はむしろそのようなことを言う人を変に見る世の中になった。 視線が変わったことを体感する時があるのか?
僕はアイドルで、その事実に大きな自負心も持っている。
もちろん僕も幼い頃、年寄りのような話をしたりもした。 でも今の僕にとって、アイドルという言葉は勲章だ。
アイドルに対する多くの認識の変化があり、この過程にBTSも一部貢献したのではないかと思う。
最近活動している多数のアイドルは本当に上手だ。 これがアイドルの現住所だと思う。格好いいビジュアルにとどまらず、ダンス、歌、ラップ、さらには演技も上手だ。
特出した長所一つを持つミュージシャンではないかもしれないが、他の面で見れば短所のないミュージシャンだと思う。
また、デビュー後、アルバムごとに実力が伸びるのを見守ることができるという点も、やはりアイドルが持つ魅力だと思う。 完成型ミュージシャンを見るのも楽しいだろうが、中途半端で可愛かったのが、次第にプロフェッショナルに変わる過程を見守るのも面白い。
アイドルを越えて国内アーティストの中で一番大きな人生の上り坂を経験したのではないかと思う。期待以上に成功した人は多いが、世界のトップまで上がった人はいないだろうから。
幼い頃はうまくいくのが怖かった。 思っていた線以上を超えると、なんだか怖い気がしたんだけど、今はむしろ何も考えてないというか。
BTSというチームは、地に足をつけて生きる人々だと表現したい。 僕たちはいわゆるスーパースターの人生を生きているわけじゃない。
また、僕たちがいるべきところが、トップだと思わず、いつでも降りられると考えている。
僕たちはある地位を維持しようともがいて苦しむ代わりに、応援し支持してくれるファンがいるという事実を思い出しながら、感謝の気持ちで生きていくことを選んだんだ。
そのような毅然とした態度はどうやって持てるのか気になる。
様々な失敗を経験し、その失敗が集まって今の成功をもたらしたと思う。
幼い頃は失敗するのがとても怖かったが、今は「そういうこともある」と思いながら生きていく瞬間に集中する。 いつも登ってばかりだと、どんなに大変か。 人生の下り坂について人々があまり苦しんでほしくない。
BTSが作り出した巨大な成功は単純に数値で説明するのに限定されないだろう。 成し遂げた成果の中で何に注目する方か?
音楽も、今やっているインタビューも、すべてのことが人と人のコミュニケーションじゃないかな。
結局、人生の中で関係は切り離して考えることができないようだ。 生きながら幸せな瞬間にも、ストレスを受ける瞬間にも常に人がいた。
出会いの話が気になった人が一人いる。 バスケットボール選手のスティーブン·カリー(Stephen Curry)だ。 彼との出会いで思い出すエピソードがあるとしたら?
スティーブン·カリーは非常にプロフェッショナルな人だ。 自分が決めたルーチンが終わらないと練習を終わらないという話を聞いたことがあるが、実際に会ってみたら事実だった。
あの日のプレーも本当に素晴らしかった。
ヒップホップとバスケットボールは切っても切れない関係ですよね。 それで幼い頃から二つとも大好きだった。
アラン·アイバーソン(Allen Iverson)、ダミアン·リラード(Damian Lillard)など当時僕が好きだった選手たちは皆ヒップホップに影響を受けた人たちでもあり、それでスティーブン·カリーとの出会いがより楽しかったし、その後NBAと協業することになったのも僕にはこの上なく嬉しいことだ。
BTSの領域は絶えず広がっている。 それによって新しい経験の場が続くだろうし、 それでバランス感覚を発揮することがいつにも増して重要ではないかと思う。 人生のバランスを取ることが全てかもしれない。 自分だけのノウハウがあるのか気になる。
意識的に自分を低くしようと努力する方だ。 そうしてこそ最悪の瞬間が来た時も「そうだと思った」「できなかったのは僕が足りなかったからだ」と自らを慰めることができる。
こんな話をかなり長い間メンバーたちと交わしてきた。 僕たちはファンがいなければ何でもないと、だから僕たちを愛してくれる数多くの人のために働かなければならないということだ。
それでバランス感覚を維持するために、意識的に僕は限りなく足りない人だと自らに言い聞かせる。 足りない人だからといって、それを満たそうと努力したり苦しんだりするという意味ではない。ただ認めて、受け入れたという意味に近い。
僕たちを愛してくれる人々のために働けるという事実に集中すれば、バランスよく生きていけるようだ。