SUGA
BE-hind Story SUGA編です。フルバージョンの動画はこちら。
続きを書こうと思ったら、日本語訳付きましたね。なので需要はあまりなくなったと思うんですが、自分の記録用に感想書いてみます。よろしければお付き合い下さい。
そしてタイミング的に推しのお誕生日祝いみたいになりました(笑)。
インタビューの引用は順不同です。
音楽オタク話
前半はほぼ音楽オタク2人の会話ですねー。
この2人のやりとりというか掛け合いがめっぽう面白かったです。普段もこんな感じでしゃべってるんだろうなあ。
RM:ヒョンの音楽制作の上での哲学を
SG:哲学…哲学まで?
RM:それが嫌ならまあ「哲」まで?
初っ端のこういうのとか。
RM:さっきジミンにミックスのこと聞かれて
SG:ミックス?お前ミックスしないじゃん(笑)。
まあ僕も大して。最近はプリセットがすごくいいから。
ユンギが機材だかソフトだかのことを説明してるの、イキイキ、ニコニコしてますね…。
RMはお菓子たべながら落ち着かず、たたずまいが「リーダー」じゃなくて「音楽仲間・弟の方」です。
兄の方も、みかんもぐもぐしながら、質問に軽ーく答えるんですが、そのユンギの言葉をぱっと拾って、キーワードにまとめていくナムはさすがです。
あとオタク話としては、Telepathyビハインドでガイドを聞きながらの会話も、普段作業室での2人が見えるようで良いです。ユンギのインタビュアーをナムにした方グッジョブ。
Telepathyは何度も修正をかけたらしいんですが、CDバージョンは4分近くあって、「こんなに長いと途中で止められる」と改めて短くしたと。ユンギは「3分以内に収めたかった」らしい。
ところで、一度完成した後、JKが急に「ハミングが入るといいな」と言ったので「入れたければ入れて」とOKしたユンギ。弟に甘い、甘すぎる。
作曲スタイル
RM:どういう時にモチーフが浮かぶ?
SG:曲を書かなくちゃ!と思って書くことはあまりなくて。
作業室にいたら本当にやることがなくて、本当にあまりに退屈だとやることはこれしかないと思って(中略)
RM:(音楽が)最高の遊びだと。言葉がありませんね。
SG:それでやることがなくて曲を書くんだけど、そうすると一つ二つ書いたものが集まって後で作業するときに使うことになるわけです。
ユンギは「音楽ばか」なんだなあ。
自嘲が混じりつつ誇らしげなトーンでしゃべるユンギも良いし、「最高の遊び」という素敵な言葉でまとめるナムに痺れたやりとりでした。
RM:では作曲するときに一番重要だと考えるのは?自分はキーワードなんだけど。
SG:僕はまずビートを作るから。
RM:やっぱりフィーリングなのかな?
SG:あまり考えずに作るんだけど、特にBEアルバムをつくるときは歌詞は完全に自由に書いて(中略)「これは今こうして歌詞を書けばいいんだ」というのがパッパッと浮かんで。
(中略)
RM:ではヒョンが曲を書くときに重要と思うものはというと、フィーリングということになりますね。確信みたいなもの?
SG:絶対にビートが良くないといけないから。それを先に作る方なので。
RM:OK。ヒョンは確信を作っていくスタイル。
SG:こう、ひとかたまりずつ
RM:順番に建築していくように?
SG:ビートをつくって、メロディーを書いて、歌詞。
RM:合理的ですね。自分はそんなことは全然できないんだけど。あっち行ったりこっち行ったり。
ここでも「フィーリング」「確信をつくる」「建築」なんてワードをナムが投げています。制作のスタイルはまったく正反対ですね。ユンギは音そのものを作っていくことに長けていて、ナムは言葉や意味から入る。
Twitterにも書いたんですが、時間があれば曲を作るユンギと、キーワードやモチーフ一つからどんどん展開して歌詞が書けるナムジュンが同じチームにいるの最強ですね。
暇さえあれば曲作ってるユンギと、モチーフひとつあれば展開して深い歌詞をかけるナムジュンが同じチームにいるの強い。そこにほかのメンバーの感性が化学反応を起こして
— ᴮᴱhoneysoju (@honeysuga7) 2021年2月28日
そして、BTSはパフォーマンスのイメージが一般には大きいんでしょうが、制作の要であるこの2人が最初のメンバーだということにぐっと来ます。
多作へのリスペクト
未発表曲がインタビュー時点で既に8曲ぐらい、ミクテのD-3を出そうと思えば出せるというユンギ(ぜひ出して)。D-2を出した時は「全部出したので、もうありません」と言っていたのに。
ところで、昨年のFESTAなどでお互いのどこをリスペクトするかという話で、いつもユンギは「リーダーとしてのナム」を褒めて労うのに対して、ナムはユンギについて「尊敬するのは作業量」とばかり。
ユンギペンとしては、「他にないのか、もっと人間的なところとかw」「いつもの言語力を駆使してもっと推しを褒めてあげて!」と思っていたんですが、今回真面目にその多作ぶりに感嘆してるんだなあと思いました。
SG:BEアルバム作るまでに、時間がひと月ぐらい、アルバムの作業をしろって空けておいてくれた、Dynamite出る前に。4、5、6月。
RM:そうでしたあの時スケジュールがなくてぽかっと空いた時。
SG:その時作業を沢山したんだけど
RM:…僕はその時何してたっけ?
(略)
(決勝まで残ったLifeGoesOnのサビについて)
SG:あれは僕たちがSOOPを撮ってる時に書いた記憶があるんだけど
RM:あの時ヒョンのトレーラーで?
わあ、あの時作業してたんですか?
SG:あそこで3曲書いたよ。
RM:本当レジェンドですね。僕はあの時何してたんだろう?暇つぶしに卓球とかして。
SG:することがなくてやったんだよ。
RM:いや僕はやろうとしてもダメなのに。ヒョンは本当に特異な人だと思います。
最後はもはや褒めてるのかディスってるのか(笑)。ナムが珍しく失礼なこと言う相手ってユンギですよね。そして特に気にするでもなく、ただ笑っているユンギ。この2人本当に面白いな。
ニヒリズムと希望の案配
Blue & Greyで採用されたユンギの歌詞は、確認できる限り
「人たちはみんな幸せみたいだ」と
「大丈夫と言わないで。大丈夫じゃないから」
だったようです。
SG:元々は歌詞がすごくディープだったから、テヒョンががうまく濾過して合わせてくれた気がする。
RM:一番気に入った歌詞は何ですか?
SG:僕は「人はみんな幸せみたい」
RM:どうしてですか?
SG:それが曲全体を貫く…僕が歌詞を書くときも曲のなかで一貫したことを言ってるな、そんな感じ。
元は歌詞の前後が少し憂鬱な感じだったんだけど、テヒョンがそれを取り出してくれて。
RM:どんな感じを想像しながら書いたんですか?
SG:僕たちも、その頃公演が中止になって(中略)実際気分が沈んでいて大変なときに作業したから、これは僕だけがいま感じてる気持ちじゃないんだなと。
多くの人が…他の人を外からみたとき、みんな大変で辛い時期なのに、ある一面だけ見ると幸せそう見える。
RM:何が起こってるか分からないから。
SG:うん、「人はみんなしあわせみたい」という言葉がすごく…
みんな幸せじゃないのは分かってるけど、そんな風に見える。
特にD-2の歌詞なんかを読むとユンギ特有の人間観というのがあるな、と感じます。それをどう表現すればいいのかな、と思ったときに浮かんだのが、ニヒリズムって単語だったんですよね。
「期待しても仕方がない、そういうもんさ」という感じ。「永遠という言葉は砂の城」とか「人は変わるもの」というのもそう。だけど同時に、「変わることも悪くない、みんなそうだから、それを抱えて生きていこう」、という希望も感じる。ニヒルに世の中を眺めつつ投げやりにならないというか。
「夜が明ける前が一番暗い」というのもそうですね。ほんのりした希望。
ニヒリズムと希望の案配が好きなんだよね… https://t.co/Tbx7TV8FgP
— ᴮᴱhoneysoju (@honeysuga7) 2021年3月4日
そこが好きです、はい。
音楽を、楽しく長く
最後のパートは、今後の音楽制作について。
SG:(音楽を長くやってきたから)次は違うジャンルをしてみたい。
RM:(笑)
SG:冗談じゃなくて。アコースティックなのもやりたいし。楽器も習ってるし。
(略)
RM:実際BTSの音楽は色々なジャンルがありますよね。他のジャンルって具体的に何ですか。
SG:フォークをやってみたい。
RM:(笑)フォーク〜!
SG:冗談じゃなくて(笑)、そういう音楽もやってみたい。
大衆音楽をやる人の最大のメリットが、色んなジャンルを全部できるってことだと思うので。
イメージの違いに吹き出してしまったナムに、2度「冗談じゃなくて」と言うユンギ。
音楽に関してはいつも真面目、かつ柔軟。アイドル路線でデビューした当時も、実はユンギはナムよりも前向きだったのかな、と思います。
某ラッパーに公衆の面前でディスられたとき の受け答えを見ても消化して納得してる感じがするんですよね。
SG:歌もやってみたくなったし。
2つともできる人になれば、長くできるんじゃないかな
(略)
SG:(BEは)僕達も作業する時にみんなプレッシャー持たずに、この状況でできることをやってみろって、ほぼ全権を渡されたアルバムですよね。でもプレッシャーなく作ったら面白かったし、成績について負担感じずやったら成績も良く出ちゃったし。
これからも続けて、僕たちが楽しく音楽をしていければいいと思います。(略)これまでの何作かはプレッシャーがあったし、特に7のアルバムは少し…
RM:どうしてもコンセプトだったり企画があるから。
SG:何かこう、見せてやらなきゃって。
そういうのなしに気楽に音楽するのも楽しい経験だった。だからこれからもメンバー同士…
RM:そんな経験混ぜて…
SG:やってければいいとすごく思いました。
ビルボード1位や、グラミーなどの「野望」担当だったユンギですが、あらかた達成しちゃったいま、新しい「野望」は、メンバーと楽しく長く音楽を続けること。
もしかしたらこれが一番難しく、やりがいがある目標かもしれません。