はちみつと焼酎

BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

作詞家としてのRM/SUGA インタビュー訳

HYBE INSIGHTでの作詞インタビューというのがツイッターで流れてきました。

RMとSUGAが作詞について語っているものらしいのですが、書き起こししてくれたものがあったので、訳してみます。*1

個人的にはRMが自分を「文学」の人間だと自覚しているところが感じられることと、SUGAは対照的にあくまで「音楽」に付随するものとして捕らえているところが興味深かったです。

 

HYBE INSIGHT RMインタビュー

このツイートで流したものからさらに意味が通るようにしています。

 

Q1.歌詞作業の始まりは?

実際にはメロディーから始まる方法があります。それから例えば「最高」「Dynamite」なら「Dynamite」のように、キーワードから出発する場合があり、次に普通にトラックから出発する場合、このように3つだと思います。

ほとんどは、僕はもともと文章を書き、実は詩人や作家になりたかった人なので、多くの部分をキーワードで出発するんだと思います。

基本的に作詞は、ある単語や、ある文章から展開していくべきだなという風にスタートを、僕はいつもさせます。これまでを考えてみると、ビートから始まった時と、ある言葉から始めた時の頻度を計算してみて、どんな曲が僕にとって心に響いたのかと言えば、結局僕は作詞から出発した人なので、作詞(から始めた曲)の方がずっと優れていたんじゃないかと思います。 はい、そう思います。

 

Q2.作業中に行き詰まった時の自分だけの対処法は?

そうですね、実際に詰まることがあります。

とりあえず、「ソウルについて書かなければならない」となると、その次にそれに合う背景も作りますよね。で、僕がその話の中の主人公になって、話を展開していかなければならなくて、そこには何らかの事件も必要ですし。そうですよね、普通。

さてそこから相撲(押し引き)が始まります。 「ああ、僕が初めてソウルに来た時はどうだった?」 「僕が幼い頃、ソウルに対する僕の印象はどうだったっけ?」と言いながら、「あぁ、僕はソウルがとても好きでもあるけど、本当に嫌いでもあるんだな」。これを見つけたら、そこから何かひとつずつ糸口が見つかっていくんですが、とにかく僕は「ソウルが好きだけど嫌いだ」ということまでは見つけました。 

でも、それをビートに合わせて メロディーと歌詞で合わせないといけませんよね。 じゃあ、それに合う何かを探し出すまで、また相撲が始まります。トラックを流して そのまま続けるんです。 どんな風になろうと。 

なので、作詞の過程は、基本的に僕のように文章や言葉で始める人の場合、普段から色々なことを考えて、たくさんの場所を歩き回って経験しながら、いつか使おうという「弾丸」を僕の中に溜めることだと思います。 

それがテーマかもしれないし、もしくは言葉かもしれないし、そういうことです。 それで、常にレーダーを開けておいて、そのちょっとした思いやメモがいつかまた曲になったり。

例えば今このカメラを見ていて、カメラはレンズが1つですが、後ろには数千万人の目、 レンズがあるじゃないですか。 そんなことを考えたら、その考えをどこかに書いておいて、後に歌詞の一行に溶かしこむこともできるし、またはこれが一つ全体的な曲になったりします。(こういうことが)尽きなくて面白いです。

 

Q3歌詞で伝えたい自分だけのメッセージ

僕が何年か前からずっと思っていたのは、人間は幸せではいられないと思います。 幸福というものを永遠に勝ち取ることはできないので、人はずっと不安で、しんどくて、孤独で。

何をしてもただ、やっとすごく欲しかったものを手に入れても、少しの間幸せで、すぐそうじゃなくなって。

人は永遠に不安ではありますが、時には生きる意味があり。そうしたものを克服するためには、後ろ盾をたくさん作っておかなければならない。 それが僕にとっては絵で、音楽で、友達との関係で、愛する家族たち、またアミたち、そして僕たちをいつも助けてくれるスタッフの方々。

こういう関係と信念によって僕という人が形成されて、だから僕たちは死ぬまでずっと賢くなり、なぜ生きてきたのかと思ったけど、それでも生きてみる価値があるんじゃないか、 面白いし。それからいつかは死ぬじゃないですか。 だから面白いんだと思います。

 

Q4.多くの人が共感できる歌詞の書き方

僕達の今の生活状況は違いますが、アメリカにいる若者達が感じることと、韓国にいる若者達が感じること、ある部分ではとても同じ考え方を共有していると思うのです。 

一人の音楽家という人が、自分の世界で、ここで深く創作して、自分の世界を何とか研究してうまく積んでいけば、最近のプラットフォームの恩恵を受けることができる時代には、地球の反対側にいる人々にも、それが十分に感動を与え、インスピレーションを得られると思うんです。 

ソウルに住んでいる僕の個人的な経験、友達との関係、僕が毎日出勤しながら感じる僕の感情、27歳でこの世界を生きる僕の気持ち、このビルを見る僕の気持ち、両親を懐かしむ僕の20代、こんな経験に集中することが、むしろ僕と関係のない人々にも感動を与えるだろう。 こう信じています、僕は。

 

Q5.自身にとって作詞とは?

僕にとっては、すごく大きいことです。 実際には巨大なのものではあるけれど、僕はこれで食べていく、ご飯を稼ぎ生きていくべきではないかと。

ただ昔からいつも文学が好きだったし、文章を書きたかったし、言葉で語りたかったんですが、成長してみると言葉にならないことが多いことにも気がつきました。 でも、代わりに音楽があるじゃないですか、僕には。

それで、以前は文章を書いたし、詩を書いたし、今では歌詞を書くだけです。 

作詞とは言葉を作るということですが、僕がこれから続けること、いつまでも僕の最大のアクロバットのような僕の領域だと思います。

HYBE INSIGHT SUGAインタビュー

Q1.歌詞作業の始まりは?

以前書いておいた(もの)、文章を書くのが普段好きだから、書いておいたものを見る場合もあります。 特別なテーマがあれば、 そのテーマについて考えます。

 

Q2.歌詞を書く時、自分だけの特別なルーティン?

作業ルーティンはあります。 僕はいつも書くノートがあるんです。黄色いリーガルパッドといいますが、そこに手で書きます。 なければ、外部で作業する時は、ホテルの中のメモ帳に全て書く場合もあります。 

最近はポストイットをよく使います。 ポストイットに思い浮かんだ文章を書いておいて、貼ってしばらく見ずに、歌詞を書かなければならない時に見て、一つ一つ開けて見ながらノートに貼って、それを土台に書く。 

普段文章をたくさん書く方ではあります。 不格好かもしれないけど、 一人でたくさん書きます。 

文章をたくさんメモしておいて。 それらを見ていて たまに「ああ、くそ何だよ」って、こういうのもあるんですが、 その中で一つでも拾えばいいから。 

時間がかかるわけでもなく、時間がある時に書く癖が身についているので、いつも何かを書く時に大きなテーマが来たら、それをもとに見つけるんです。

 

Q3.作曲と異なる歌詞作業の魅力は?

その歌詞が与える感動が別にあると思います。 もちろん、いいメロディーや編曲も良いけど、とにかく人の心を動かすのは歌詞だと思っていて。 重要じゃないものはないけど、 歌詞もすごく重要です。 すごくいいメロディーに変な歌詞がついたら台無しじゃないですか。 

それから歌詞を書く行為自体は誰でもできるので。文章を書くことは誰でもできるし、 難しくはないですよね。 歌詞も同じです。 それをどう整理するかは別の問題ですが、そんな魅力があると思います。 その人の色がはっきり見える(という)。

 

Q4.良い歌詞を書くために自分はこんな努力をする?

たくさん書いたりもしたし、幼い頃に本をたくさん読みました。 僕が大邱で高校に通っていた時、 今月の読書王をほぼ毎月もらったんです。 勉強とは正直いうと距離があって、本を読むことが好きでした。

今も本を読むのがすごく好きで、 作詞のために書くとしたら 何かしないといけないような。 日記は書きませんが、日記に似たようなものを書きます。 瞬間の感情を記録。 それが一番重要だと思って。 それが創作をする人にとっては 一番大事だと思う。

なのでノートパソコンも、 作業してもしなくてもとにかく持ち歩いているじゃないですか。 やるかやらないかは置いておいて、できる環境になれば、(持っておけば)できるじゃないですか。 IN THE SOOPのようなものも出来たし。あの時に僕がいなかったら出来たたと思いますか? 出来なかったと思うけどな。 

僕はできることはするんです。

 

Q5.過去に書いた歌詞を再び使う理由は?

僕はこう思います。1年前とか、4年前とか、7年前とか、その時に考えていた一行と、今考えている一行を見つめる解釈が少し変わるんです。

 価値観や自分の考え方が常に変わってきますよね。 僕がそう(歌詞を)書いたからといって、 そういう人になる訳じゃないですよね。

 なのでリマインドをしながら、 今はこうやって変わったということを 見せる方なんだけど 、僕は終始一貫していて、もちろん全部好きだし、 初心でもなんでも好きだけど。

 だから人は変わるんですよ。 その変わる姿がどう変わるのかがもっと重要ですから、それ(以前の歌詞)を持ってくることで成熟し、変わった姿を見せようと思って(過去の歌詞を)持ってくることが多いんです。 使うものは良いラインが多いですし。

 

Q6.数え切れないほど多くの歌詞を書いて変わった点?

それについてたくさん考えてみたんです。

 なんで僕がこんなに作業をたくさんするのかって 思ったんだけど、これ以外は やることもないし、できることもあまりないし。

 なのでそのまま認めました。 僕がこれを、音楽を作らずに生きるのが 僕にとってはとても不幸な時間なんだと。

 なぜなら、作っていて不幸な時間があったのに 今度は作らないと苦しかったんです。 今はその間でバランスを合わせていってます。

 

Q7.本当の自分の姿、自分の話を歌詞にするためのプロセス

以前書いておいた文章を(書いた)ノートが、デビュー前から集めておいたものがこれだけ(たくさん)あります。 それらを見る場合もあるし、作業する時はそれらを見ます。 昔書いておいた歌詞も見て。

 そういうことを考えてたんだ、それをまたメモして集めておいて。 それをもとに書く場合もあります。

 そして、過去の考えを取り出す過程が必要なんですが、 その過程が正直、辛いんです。 思い出したくないことも思い出さないといけないし、また今はそうではないのに、そう考えているように書かなければならないので。

分かりませんけど、それがちょっと僕には治癒の過程でもあるし。

いろいろ勉強をしていますが、音楽を作って発表するのが、かなり僕にとって心理的な治癒になったようです。 辛いけど、やる価値があると判断してやっています。

 

Q8.自分にとって作詞とは?

すごく色んな意味を考えてみました。 ただ僕ができること。

 以前、特別な何かのように考えてみたり、すごく卑下したりもしてみました。 でも今、僕が出来ること。 

人生の半分、16年? 書いてきたから。少なくともこれができないと 恥ずかしくなると思います。 曲を書いて作詞して、これを16年間やってきたのに 出来なかったら、恥ずかしい思いで 仕事を辞めそうなんだけど。 

僕にとってとても必要で、必要だからやっていて、楽しくて、ストレスを受ける時もありますが、その行為自体は僕にとってはとても良いと思います。

 

*1:設問数がなぜ違うのか分からないのですが、もしかしたらRMの方に続きか中抜けがあるのかも。見つけたら加えます。