はちみつと焼酎

BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

BIGISSUE Korea RM編の後記/日本語訳

チェ・イサクさんのコラムの後記、新しく引っ越してRMの分もアップしてくれましたので、訳します。ご本人は「連載初期でまだ後記という考えがなくて、個人インスタにアップした文章です」とのことです。元テキストはこちら。isakchoi.postype.com

元のコラムの訳はこちら。

honeysoju.hatenablog.com

 

ここから後記の訳です↓↓↓↓

 

BIGISSUE Korea RM編の後記

(1)

ナムジュンについて書くことにして、一番最初にしたことはプレイリスト作りでした。 ナムジュンのソロ曲、フィーチャリング曲、自作曲を年代順にまとめて、締め切り1週間前からご飯を食べる時も散歩する時もずっと聞いていました。 そして、彼の中にはBTSのリーダーRMと、ランチランダ時代から連続するラッパーRMがそれぞれ独立的に共存していると改めて感じました。

 

似たような時に「ミックステープ」の歴史を知りたくてネットフリックスの「ヒップホップレボリューション」を見ているときに、ナムジュンが、その世界の文化で成長し、まだその中で現役で実力を競っているという考えをするようになりました。 残念ながら、私はLil Nas Xの「Old Town Road(Seoul town road remix)」への参加が、彼のラッパーとしてのキャリアに何を意味するのかを遅れて知るようになりました。

 

2019年グラミーアワードは、BTSの初グラミー公演という意味に加え、一山に住んでいた中学生ラッパーからグラミーパフォーマーになったラップスターRMの成功と証明の場という意味もあると思いました。 その日ナムジュンがホテルの部屋で一人で本当に多くのことを考えたのではないか、そんな想像をしました。 もしRMを主人公にドキュメンタリーを作るなら、私が監督なら2019年グラミー公演を最初の場面として使うと思います。

 

ここまで認識を広げると、運転免許証がなく、タルンイに乗るラップスターRMにとってスーパーカーの意味が格別だと思うようになりました。 そのように文を書き始めました。

 

(2)

ナムジュンは特に「ある人」たちの「評価」をたくさん受けました。

 

私は他人が時間と資源をかけて試行錯誤を繰り返し、熱心に作り上げた完成品をもてあそんで品評するのは2021年の方式ではないと思います。 そのような文は、たいてい自分が刺さったたった一場面だけを見て書いた怠け者で平板な文になりがちです。 毎秒ごとに新しいことが発明される時代に、肯定でなければ否定、称賛でなければ冒涜の二分法で世の中を説明しようとする試みはこれ以上有効ではないと思います。

 

この文を準備する時、ある評論家の「ビルボード上陸作戦」発言*1がイシューになっていました。 私はこの言葉に同意しません。 ファンだからではなく、脈絡が全然把握できなかったからです。 BTSビルボードチャート進入の年代記がどんな状況と過程で作られたのかをまともに把握していたとすれば、これがビルボード「上陸作戦」ではなく「Occupy(占領)」ビルボードに近いということが分かったでしょう。このようなことについて説明する段落を書いて消しました。 今は2021年ですから。 これ以外に何の言葉がもっと必要でしょうか。

 

(3)

コラムを準備しながらほとんど毎晩チャリンコ(タルンイ)に乗りました。 ナムジュンはどうしてこんなに自転車を、それもタルンイに乗るのが好きなのか理解できることを願いながら。

 

私は梨泰院に住んでいるので、漢南大橋-盤浦漢江公園-潜水橋をつなぐコースをほぼ毎晩走りました。 自然に文章を書いている間、一番よく聞いた歌は<Bicycle>です。 8月に漢江で自転車に乗るのにとても完璧に似合う歌なので、イヤホンをしているのをうっかり忘れたりもしました。 歌に自転車のクラクションが効果音に入るのですが、それが実際に鳴ったと思って何度も後ろを振り返ったりもしました:)「ナナナナナナ」に合わせて狂乱のライディングをして家の鍵を失くしたりもしました。 午前0時過ぎに10万ウォンぐらい払ってドアを開けながら、何かナムジュンらしい(?)オチだなと笑いました。

 

夜に自転車に乗って、Bicycleには昼間に吹く川の風のリズムが含まれているような気がしました。「地平線を歩いて、再び転がって。 私たちが定めたあの消失点で」という歌詞があり、夜の闇の中で消失点を見ることができないからでもあり。

 

タルンイに乗って考えたのは、自転車に乗ればすべてが目的地になるということです。 私が行く方向が「前」になるので、漢江大路の方に向かって頭を回して聖水大橋に行っても構いません。 そしてペダルを一生懸命踏む「仕事」がすなわち「休み」になると思いました。 おそらくそれで「無条件に前進」の人生を生きるナムジュンがタルンイが好きなのではないかと思いました。



*1:おそらく韓国の音学評論家、チョン・ミンジェ氏のこのツイート 「コロナという特殊な状況から、これまでの作品とは少し違う、今の時期にふさわしいテーマの曲を発表したのだろう。 次の作品では、前作で見せてくれた彼らだけのエッジと大胆さに再会したい。これだけでビルボード上陸作戦も十分に成功だから。」