こちらのラジオ番組「ペンタゴンの夜のラジオ:金家のK-POP! j-hope編 w/キム・ヨンデ評論家」で、「BTSを読む」のキム・ヨンデさんがj-hopeについて熱く語っていました。とても良かったのでツイッターでちょろっと書いたのですが、要約も要約だったのでもう少し詳しく。内容まるめてます。テキストベースじゃないので自信ないところもありますが、パパゴの力借りつつ。52分ごろからです。
j-hopeのソロ活動…これまで我慢していた情熱
j-hopeの音楽を眺めて彼がどんな音楽をつくり、チョン・ホソクがどんな人間なのかについて、掘ってみます。
ロラパルーザについて
j-hopeというアーティストについて 知らない人も多かったんです。 でも、ああ、こういう人なんだ。こういうアーティストなんだということを、一度にはっきりと見せて立証してみせたステージでした。
そして(ソロ)アルバム、Jack In The Boxはビルボードで17位までチャートインし、評論家たちの評価も高かった。とにかく今年は彼にとって忘れられない年になったのではないでしょうか。
ステージでの迫力がすごかった…というお話
完全に情熱を燃やす姿が あるじゃないですか。 本当にこうやって、ステージで倒れるほどの情熱を見せてくれたけど、これをいままで(BTSのなかで)どう我慢してきたんだろうかと。
もちろんBTSでも責任を持って情熱的にステージをするけれど、本当に自分の名をかけたステージを見たときに、この人が本当に我慢してたんだなと。そしてこの先を期待させるようなステージでした。
MCが「彼の印象はほんとうにダンスの実力ですね」というからしばらく、ダンスについてのトーク。ヨンデさんが「ホビ」と言って、「友だちかよ」と自らツッコミ(笑)
彼はダンスもワントップですが、作詞作曲の能力も素晴らしいです。まだ過小評価されていると思います。
BTS以外のソロ曲20曲程度を改めて聞いたけれど、10曲選ぶのが大変だったいう話。
全ての曲が「その曲ごとに」良いんですよ。ファンだからじゃなくて。それがj-hopeというソングライターのとても大きな長所だと思います。そして大部分の曲がすべて好感度が高いんです。名前がhopeだから…名前に似てくるのかもしれないけど。
すっかりホビペンのヨンデさん
初めてBTSに会ったときに、みなさんこうやってあいさつをしてくれたんですが、本当に遠くか近づいてきて「お会いできて嬉しいです」と。その声がとても力強かったんです。しっかりしていて、希望にあふれていて。
いままで会ったアーティストのなかで一番、私を歓迎してくれる気持ちがあって…錯覚かもしれませんがその思い出を大事にしています。
そのときの言葉も「評論家ニム、やっと会えましたね」と。その言葉がとても温かい気持ちにしてくれました。
評論家って、いつでも歓迎される立場じゃないですもんね(笑)
では以下からTOP10と解説です。
キムヨンデさんが選ぶTOP10
10 Chiken Noodle Soop
9 Daydream
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=4132
90年代のハウスの雰囲気。タイトルは白昼夢。
これが夢だと知ってるし空想かもしれないけど、自分がこうなったらどうだろう、ああなったらどうだろうというのがとても純粋な気持ち。素朴な願いが込められたもの。
HOPE WORLDというアルバムは、自分自身の中への旅で、この曲は空想のように見る夢なんだけれど、そのなかに彼の希望と肯定的なメッセージが良く表現されている。
8 Future
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=4301
タイトルは未来。時間的な未来でもあるけれど、未来の自分について。
過去の自分を振り返りながら未来を考える曲。
JITBは自分への疑問や欲望についての内容が込められたアルバム。その中にはHopeという名前についての懐疑も。自分が本当にそんな人間なんだろうか。希望というのが本物なのか、噓なのか、と。(そうやって疑問を持ちながら)なのにここでいきなりFutureという曲が(入って)これほど優しく響くのだろうかと。
悩んだ末に、ただ自分はこういう人間だから行ってみよう、と。そうやって最後にまた自分の信じる「希望」が首をもたげてくる。それでなのか、最後に子どもの声も入るんです。
最後に悟ってみれば、また子どものような気持ちが出てくる、と、そんな曲。
希望を叫ぶ人は、心の中では激しく戦ってるんです。でもそれを取り除いて、人々に希望を伝えてくれる
7 Safety Zone
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=4491
特に問題はないんだけれど、あるとき急に、自分の脱出口、安息所はどこにあるんだ?という疑問。自分が完全にリラックスしてここでは完璧に安全だと感じられる場所はどこだろう?自分が信じられるところ。それが意外と難しい。
愛する人もいて友だちもいて。でもそれを離れて自分自身が安全でいられるSafety Zoneが欲しいときがある。
家族?友人?ファン?でもそれに疑問が湧くことがある。自分の安全地帯はどこだろう、と投げかける曲。
6 Base Line
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=4777
スキットみたいにつくった短い曲なんですが、この曲のベースラインだという意味と、自分の人生の根っこや基盤についての曲。出発点を考える、自分が誰かを忘れないという意味にもなると思いますが、一番好きな曲のうちの一つ。
シンプルなループだけど、この感じがとても良いです。
彼の魅力だと思うんですが、何をしてもそれっぽい、と言いたい。その分野の専門家だとは言わないんですが、どんなジャンルでもフィーリングをキャッチできる能力。ただ努力だけでできるものじゃないと思うんですが、本人だけの感覚があると思う。
5 What if
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=4991
この曲の変化、フィーリングが変わっていくところがとても…妙に良いんです。なんて表現すればいいのか分かりませんが。 ずっと「もしも」と繰り返す。もしHOPEという名前じゃなかったら?もしいまの環境じゃなかったら? いままで望むことをすべて手に入れたから、他人に希望を持てといえるけど、全て失って地に落ちたとしてら、それでもまだ希望を口にできるのか?と。 ここまででまだ「答え」が分かってない時点の曲。 このアルバムを通して彼は自分の話をずっとしているけど、普遍的でもある。特に絶えず自分は何者かを自問するアーティストは共感するでしょう。
4 Blue side
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=5236
彼の曲のなかで、最も内省的な曲の一つ。j-hopeというより人間チョン・ホソクについての曲。
歌詞を見るといつも向き合ってるのでは昔、純粋だった幼い頃への渇望と憧れを持っているよう。それが常にいまの自分と比べられている。
青という色。青かった夢の話でもあり、憂鬱という意味だったり。花が咲く(bloom
)にも通じるもの。失ってしまったものが悲しくもあるけれど、それがまた希望をくれたりもする。
そういうすべてのイメージがこのムードのなかで展開する、もう一つの名曲。
j-hopeの曲が下へ沈んでいく感じと、上に上がっていく希望があるけれど、両方あるのが人ですよね。一つだけというのは噓ですよ。自分の一番深いところを見せてくれた曲ですね。
3 Equal sign
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=5682
オープニングが最高ですよね。
この曲もやはり彼の哲学、大袈裟に聞こえるかもしれませんが普段から持っている人間に対する哲学が入ってる。
本質的に人間は一緒だろうという。人間はそんなに違うか?人種や身分や…本質は同じだろうという曲なんだけど、「一緒だからそんな風に言うな」っていうことじゃなくて、人間の本質に対する愛情がこめられている。
歌詞の素朴な感じと曲の持つ落ち着いて洗練された雰囲気が合ってる。
2 MORE
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=5844
本人が持っている自分への期待。人々が持っている考え、自分のペルソナ。その役割を果たしてるけど、心の中に積み上がってくる「もっと」という思いを吐き出した。 「もっと欲しい」という欲求が本質なのか、それとも一度「もっと」という気持ちを吐き出したいというのが本質なのか、それは分からない。単に「もっと欲しい」ということではないと思う。とにかくそういう強烈な渇望のメッセージ。 ラップとファンクスタイルの強烈なサウンドがよく合って、MVもとてもダークな感じを出していた。メイクやステージの演出も含めてj-hopeのまた違う面を見せてくれた曲。爆発的な感情を生々しく出していて、とても驚いたし面白いです。
1 P.O.P (Piece of Peace)
https://youtu.be/goUvkA9gcmU?t=6016
平和の一かけら。タイトルもとても素朴。一縷の希望って言葉もありますよね。j-hopeの根幹の考えじゃないかと思います。自分が人々にあげられるのは、音楽で希望のかけらをこの瞬間少しでも(あげること)。
とても素朴だけど、とても良いですよね。自分が世界を救うとか、君の痛みを全部分かって癒やすとか言えば噓になってしまうと思うけれど、大きな力にはなれなくても、音楽とバイブとダンスで平和のひとかけらでも分けられるという。
ビートはとても精巧だけれど、にも関わらずゆったりして聞こえるグルーブと共に、彼の核心的な魅力を伝えてると思う。
希望はいつも、現在ではなくて未来のこと
インタビュー希望するヨンデさん
僕のポッドキャストにお招きして話したいです。評論家ニムの全部聞きましたよ~あれは違いますよ~と話したいです。
ぜひぜひロングインタビュー希望。
j-hopeについて一言で…
MCの方は「巡察者。指輪物語のストライダー、平和を見守る。そして目覚めている者」
そしてヨンデさん
『希望は常に、現在ではなく未来』
彼の名前は希望ですよね。遠くても近くても希望はいつも未来についてじゃないですか。曲にFutureがあるし。
今がどうだろうが…悲惨であろうが幸せであろうが、j-hopeという人の視線はいつも未来に向いている。
未来に対する期待。それが希望の本質であると