成功したオタクと未放送分の字幕動画
ep3では、学会でアメリカに行っている天文学者のチェギョンさんの代わりに、RMが大ファンだという脚本家、チョン・ソギョンさんが登場しました。
嬉しそう（笑）
本編の方には、映画「別れる決心」やドラマ「シスターズ」の映像が使われているからでしょうか…YouTubeに転載はブロックされてしまいました。
なので、ここは未放送分のみ。
テーマは前回に引き続き「愛する人」についてのようです。
メロドラマ論から「愛してる」という表現を巡る会話です。
こちらは作品が発表された後、どう受けとめられるかということについて…。なかなか面白い。映画やドラマがそれこそ共同作業でつくられるものだということも差し引いても、一度手を離れたら視聴者、観客のものだという覚悟みたいなものが感じられます。
私が愛する物理学者／愛する同僚
で、放送された分はブロックされてしまったんですが、内容としてはこんな感じだったかと。
「愛する人間」の続きで、物理学者のサンウクさんは、ノーベル賞学者のリチャード・ファインマン。
ユーモアがあり、それ以前の「高尚な」物理学者たちとは違い、教養はなくて物理学一筋。そして愛する妻とのエピソードなど。
妻が結核でなくなった後、ファインマンは手紙に「この世で最も重要なのは物理学ではなく愛」と綴ったそうです。
そして、法医学者のイ・ホさんの「愛すべき人間」のチョイスは、偉人や有名人ではなく同僚で後輩の法医学者でした。
チョ・ナムスさんという方なのですが、この方のアイデアと情熱で未解決事件の解決につながったりというエピソード。
イ・ホ：いまこれがすぐに必要なのかは分からなくても、とりあえずデータは取っておいたことが、解決につながった。
専門家というのは自分の専門領域にだけ深く入るものだけれど、同時になぜ自分がこの仕事をしているのか、という原点に返ることも大事。
同じ時代を生きていて、同じ悩みを持っていて、同じ良心を持っている。そうやってひとつの社会を作っている。自分の仕事がその全体にとってどういう意味を持つかを考える。そうやって共同体を守っていける。
チョ・ナムスさんを見ながら、この社会の安全網は、こういう人が守っているんだな、と思ったんです。
目に見えないヒーローは「平凡な善」を行う人たち
このお話から、「目に見えないヒーローたち」の話になります。
イ・ホ：この社会を守っているのは、小さな、誠実な個人たち。自分の仕事に、共同体に責任を持ち、共同体を愛している人たちなんだと思う。人間に対する愛があるところに、専門家としての愛があるべきなんだと思うんです。
サンウク：先ほど（ハンナ・アーレンとの）「悪の凡庸さ」についてのお話がありましたが、それと対比できるようですね。「善の平凡さ」。善というのもやはり、数多くの人々が自分の場所で責任を果たすときに働くということかも知れません。
（中略）
ヨンハ：こういう方々の仕事は、上手くいってるときは目に見えなくて、失敗したら悪口を言われるもの。では一体どういう部分で彼らは楽しみや誇りを感じるのか、ということについての研究があるんです。
そうすると、この人たちは自分の仕事における完璧さを追求すると同時に、同僚たちに認められ、尊敬される、とても大きな報酬だと受けとめているんだそうです。
良い話だ…。
ここから、自分の分野の「目に見えないヒーローたち」。
サンウクさんは、科学者たちの世界はそれこそ、そういう人たちの集まりだと。実験を手伝う人、データを取る人、機械を操作する人…論文に名前は載らなくても仕事に誇りを持つ人たちだと。
ソギョンさんは、編集監督の名前をあげ、RMもサウンドエンジニアについて語ります。
RM：フィードバックするときも「この音域が…」じゃなくて、「のっぺりしてる」「空間感を出して欲しい」とか抽象的な話をしがち。なるべく彼らの言葉で伝えようとするけど、結局は「何かこのサウンドがぽっちゃりしてる感じ…」と。難しいんですよね。
ハンジュン：これどうにかしてよ、ってことだね。
RM：「こうなんか、しゃーっとしてテーンとしてぱぁーっと！」ってする人もいます（笑）
お話を聞いたソギョンさんがまとめてくれました。
ソギョン：みなさん「私が愛する人」についてお話しましたが、ご本人の姿と重なりました。「私が愛し、尊敬する人」は、「私が求めている価値を、先に実現している人」だということが見えるようです。
今回はマシンガントークをするほかの出演者に比べて、これまで控えめだったイ・ホさんからすごく良い話を聞けました。
