パン・シヒョクPDがTED風のプレゼンをしている動画、ときどきツイッターにも流れてきてましたが、YouTubeでフルバージョンのものを見つけました。
韓国の国営放送のドキュメンタリーシリーズみたいですね。
番組名は「明見(名犬?)万里」。放送日は2018.06.03。
講演タイトルとして「パンPDが語るKPOPの未来」となっていて、何より「BTSの成功の秘訣は?」という質問に彼自身が答えているところが注目ですね。スタッフが出てくるVTR部分も面白かったので、和訳してみます。自分で字幕入りの動画つくるスキルがあればいいんでしょうが、そんなものはなく。50分もあって長いので記事分けます。誤訳あったらお知らせください。②(③も?)はまた後日。
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パン・シヒョクPD登場
パンPD:私は作曲家兼プロデューサーです。音楽をする人として願うことがあるとすれば私がつくった音楽を通じて大衆と共に呼吸することです。
それで私は音楽を聞く人たちに響くコンテンツを本当にうまく作り出すことにこだわっています。
今日私が皆様と共に分け合うお話は、成功の秘訣や未来の音楽産業に対する答えなどではありません。私がそんなことを予測したり論じたりできる人だとは思いません。
ただお話できることは、音楽というコンテンツをよく作り出すために、私とBTSが試してきた様々なことと試行錯誤を通じて得た洞察に関することです。
私は典型的なビルボードキッズです。
中学生の時に偶然友人を通じてとても古い画質のなかにハンサムなバンドを見たことが始まりでした。いまみても格好いいですがイギリスのポップバンド、デュランデュランです。
私は彼らの音楽も好きでしたが、好きな音楽をするバンドが顔までハンサムだったことがとても印象的で好きでした。
いま考えてみると最初からハンサムなバンドにはまったことをみると、私は結局、アイドルのプロデュースをするしかなかったんじゃないか、そんな運命じゃないのかと思ったりもします。
私がデュランデュランを好きだった時代は、最近とは違い、外国の歌手の正規のアルバムを手に入れるのもとても大変でした。ライブの映像はさらに難しかったのです。
それでもコピーのコピーを何度も繰り返した非常に画質の悪いビデオをやっと手に入れて見ると、それが本当に良いんですよ。
私だけがそうだったのではなく、1970年代、80年代には、韓国内ではポップの人気がすごかったです。
アメリカとイギリスのポップが全世界を席巻していました。
30数年過ぎたいまでも状況は似ています。自国の音楽的な特性を打ち出せる国がそれほど多くないのが現実です。世界の大部分の国では依然としてアメリカ中心のポップスを主に消費しています。
しかし2018年現在、私たちにはKPOPがあります。
2000年代前半まででも私はKPOPが世界的な立地を得られるとは思っていませんでした。しかしエンターテインメント企業たち、多くの先輩アーティストとたちがあきらめずに数多くの挑戦を繰り返しながら道を敷き始めました。その結果、現在KPOPが国内を越えて世界の大衆に認識されるようになりました。
ありがたいことにBTSがその道を継いで世界の舞台の真ん中に経つことになりました。
BTSが立てたいくつもの記録は、私にとってもとても驚くべきことです。どうやってそんなことが可能だったんでしょうか。まず昨年の11月に戻ってみましょう。
アメリカン・ミュージック・アワード(VTR:2017年11月)
ナレーション:昨年11月アメリカロサンゼルス空港.
入国場は朝から混み合っていた。大部分はBTSを待つ現地のファンたちだ。
現地ファン:BTSを直接見るのは初めてです。BTSに会いたいです。
ナレ:アメリカンミュージックアワードに招待されたBTS。普段見ることが難しいBTSを収めるために、ファンたちは素早くカメラのシャッターを押す。押し寄せるファンたちのためにガードマンたちが総動員された。
2013年にデビューしたBTSはヒップホップとKPOPダンス音楽を結合させた7人組男性アイドルグループだ。
全員地方出身で外国の経験もないが音楽の高い完成度と振り付け、ミュージックビデオの強烈さを武器に厳しい北米の音楽市場を攻略中だ。BTSはデビュー4年目にしてビルボードミュージックアワードでアジア初のトップソーシャルアーティストを始め、世界に名前を知られるようになりました。
(ホテルの部屋)
ビルボードに続くアメリカンミュージックアワードの招待で現地メディアの取材要請が続いていた。BTSの企画者であるパン・シヒョクプロデューサーも授賞式に招待され日程を共にした。
パンPD:おまえたち気分はどう。私は本当に(実感わかないけど)おまえたちは現場には行くだろ
RM:ただ急に出てきたから。いつこの子たちがこうなったんだって質問を本当にたくさんされました
ナレ:メンバーたちはこの驚きの出来事をどう受け止めているのだろうか。
JK:今日じゃなくて前にもステージをいっぱいしましたが、とにかく反応がとても熱くて僕たちの歌を大声で一緒に歌ってくれて。それでアメリカンミュージックアワードのときもファンたちのおかげで多くのアーティストたちの間で気分が上がったみたいです。
JM:実際まだ実感がわきません。僕がどんな場所で、どれだけ大きくてすごい場所でステージに立つのか実感がないんですが、早く行ってその雰囲気を感じてみたいです。
ナレ:11月19日 AMA授賞式。この日の会場には取材陣だけでなくBTSのファンたちが数多くかけつけた。なぜ彼らはBTSのこれほど熱狂するのだろうか。
ファン:踊りもうまいしSNSでコミュニケーションもたくさんするので、ほんとうに良い人たちだということが分かります。とても控えめですし。それで好きなんです
ファン:最初はBTSのダンスが好きだったんですが、だんだん性格や音楽まで全部好きになったんです。
ナレ:アメリカの3大音楽授賞式に数えられるほど権威のあるAMA。その名に相応しく世界のトップスターたちが一堂に会した。
2012年にカンナムスタイルでPSYが招待されたあとKPOPアイドルグループで最初のステージだ。
現地メディアの注目を集めたのは熱狂的なBTSファンたちの反応だった。みなが予想できなかった現地ファンたちの熱い反応のおかげで、この日のイベントの主人公はBTSだった。
BTSはAMAのステージにあがり、新曲DNAを韓国語の歌詞そのまま歌った。4分あまりの短いステージだったが、当日アメリカのグーグル検索語1位に登り人気を再び立証した。
成功のカギは何?
パンPD:BTSがアメリカで注目を集めたのは2017年のBMAでトップソーシャルアーティストを受賞したことが大きなきっかけでした。受賞後、BTSがSNSを積極的に活用してファンとコミュニケーションを取ったことが成功のカギだという話がたくさんでました。
その分析が完全に間違っていると言うことはできません。しかしソーシャルメディアの活用をすべての結果の秘訣だとすることに疑問がわくのもまた事実です。
だとしたらいったいBTSの成功の秘訣は何か、こんな質問をしたくなると思いますし、私が最近一番よくされる質問でもありますので、それが気になります。
BTSをつくる前に彼らに会ったとき、正直私はいまのうような未来を夢見ることはできませんでした。
世界的なアーティストを育てよう。そんな目標を立てたことはなかったということです。
BTSの全メンバーは、地方からソウルに上京してきたがかりの幼い学生たちでした。
私の会社もいわゆる主流とは言えないでしょう。
しかし一つ自信がありました。
この輝く才能を持った子たちと、何か意味のあるものを作り出せるだろうという確信でした。
BTSがいまに至るまで数多くの努力と試行錯誤がありました。
そのなかでいったいどんなものが良い結果を生み出したのかを分かるのはもちろん簡単ではありません。その答えを探すために世界のファンたちが、いったいどんな点に反応しているのかさぐってみようと思います。
ダンスの魅力
(VTR)
最近アメリカの中・高校生を中心にKPOPダンスが流行している。サークルには多様な人種と性別の学生たちが集まる。彼らはBTS、Big Bang、TWICEなどKPOPグループの様々なダンスを再現している。彼らはKPOP関連イベントに出演ししょっちゅう公演をする。
インタビュー:僕はとくにGfriendのダンスを好きなんですが、複雑で繊細さが生きています。
インタビュー:Kpopはほんとうに動きが多様で、上下の動きもあるし、新しいちゃんレンジもあって、スタイルも違うし振り付けも違いますよね。
ナレ:YouTubeにはKPOPのカバーダンス動画が1000万件近く登録されている。そのレベルも相当なものだ。
イ・スンハUCLA韓国学博士:KPOPと行ったとき、外国では、韓国の外ではアイドルのポップだということです。音楽のジャンルを考えれば、実はとても複合的な音楽が入ってるんですよね。特に群舞というダンスの動きが重要な役割をしているんですね
ソン・ソンドゥク氏
ナレ:LAのあるスタジオ。公演前のBTSのダンス練習が行われている。
BTSのステージでダンスは非常に大事な要素だ。分単位でメディアのインタビューとステージの日程が詰まっているアメリカでも、ダンスの練習志願だけは十分に別に確保している。
2,3回の練習でもくたくたになるほど彼らのダンスは激しく難しい。
JH:昔は本当に一日ほぼ10時間以上ダンスを踊っていました。最近はメンバーたちがどこで合わせないといけないかよくキャッチするので、最近は一日に4時間以上やってますね。
ソン・ソンドゥク:元々BTSのメンバーがいまみたいに全員踊りが上手い子たちじゃありませんでした。私はパフォーマンス的に完成度が高いグループをつくりたくて、もちろんほかの歌手たちも本当に一生懸命でしょうが、ものすごい練習量で克服したチームみたいです。
ナレ:BTSのダンスはファンたちの間で「カルグンム」と呼ばれる。デビュー期に人気を得たのは7人のメンバーが一糸乱れず動くダンスの振り付けの役割が大きかった。
ソン:どんなコンテンツを持ってきて、どれだけするかの闘いみたいなものです。それがそのまま競争力になるようですし、ステージを、パフォーマンスをどれだけ上手くやり遂げるかが競争力になるんです。
ナレ:BTSのスケジュールを追うあちこちでも、彼らのダンスをカバーする外国のグループをすぐに見つけることができた。
ダンスはファン文化の必須要素を占めている。
ファン:(BTSの魅力は?)ダンスですね。とてもエネルギッシュです。
ファン:パフォーマンスが良いです。あんなグループみたことないです。パフォーマンスに本当に力を入れています。MVのストーリーラインも本当に驚きました。
ナレ:BTSを初めとしたKPOPアイドルファンたちは独特なアイドル文化を持っている。韓国で始まった積極的なファン文化が外国のファンたちにも広がった。
ファン:BTSのファンはアーミーです。どんなときにも常にBTSを応援して愛するからです。
ナレ:記念品を直接つくってお互いに交換したり、アーティストに対するポジティブなレビューを自主的に残して広げるのだ。ファンたちのこのような能動的な文化は世界にKPOPを知らせるのに大きく寄与してきた。
②に続く