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BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

BTSの「オタ活」をやめられない本当の理由/コラム日本語訳

star.ohmynews.com

韓国の市民メディア「オーマイニュース」のコラムです。筆者はチェ・ヘソン記者。

パパゴ+α訳

 

私が相変わらずBTSの「オタ活」をやめられない本当の理由

どんなジャンルをオタ活しても第一段階は「オタ通事故」*1だ。 予期せぬ瞬間に交通事故に遭ってしまったような状態に陥ってから、ようやく全てが始まる。
 
次のステップは人それぞれだ。 「オタ通事故」が起きたことを素早く認め、オタクとしての自我を受け入れたり、あるいは自分に今何が起きたか分からず戸惑って過ごした後についに悟ることになったり。 

この時期を経てオタクに生まれ変わった自分を認めたとすれば、その心の基本は私に「オタ通事故」を起こした私の偶像(アイドル)を応援する心だ。 円滑なオタ活のためには、その心が燃え続けるように焚き物が提供されなければならない。 これを「供給(ネタ)」*2という。

供給は多ければいいが、少ないこともある。 少なければ少ない分、ナノ単位に分けて病めば良い。 しかし、オタクが引き続きオタクとして残るためには、最小限の条件がある。 まさにこの人を応援することが恥ずかしいことになってはならないということだ。 言い換えれば、私がこの人を応援することが誇らしいことでなければならないということだ。

BTSは、ARMYである私が引き続きオタクとして燃え上がれる必要十分条件を全て備えたチームだ。 韓国初、アジア初、世界初の記録のように数値化可能な定量的な面でも、アイドルとしての競争力と言える魅力的なルックス、アルバムを通じて投げかけるメッセージのような定性的な面でも不足したものがない。

しかし、BTSをよく知らない人たちに私がどんな面を誇らしく思うのかについて、今日は別の話をしてみたい。

全メンバーが軍服務に入った後の2023年12月20日、ディズニー+でBTSのデビューから今までの10年間の旅程を扱ったドキュメンタリー<BTS Monuments:Beyond The Star>が公開された。

ドキュメンタリーで公開されたBTSの10年の旅程

ドキュメンタリーは2020年1月に行われた「connect BTS」というアート展示を観覧するメンバーの姿から始まる。 逆説的にもそれはコロナのために全てが断絶している時だった。

続いてカムバックのためにアメリカに行くメンバーたちの姿、アメリカでのプロモーション中のあるトークショーで「1年に3つのアルバムをビルボード200(アルバムチャート)1位に上げたチーム」と、精一杯ハイテンションな声で紹介するMCの姿と、ファンがBTS公演のチケッティングをする興奮した瞬間を交差させる。 次の瞬間、蚕室メインスタジアムで行われる「Map of the SOUL」ツアーが電撃的にキャンセルされたという内部の決定を聞くメンバーたちの失望する姿が交互に編集され、劇的な対比を見せた。

BTS」の成功を遠くから聞いていた人は「このチームは何か出すたびに大ヒットするから何も難しくない、とんとん拍子なんだろう」と早合点しているようだ。それに限らず、全てが止まってしまったパンデミックの状況で発表した曲が、さらにグローバルなヒットまで引き出したのだから。

しかし、裏事情を覗いてみれば、こんなに悪いタイミングががあるのかと思うほど、重要な計画で挫折を経験していた。 世界トップクラスの男性アイドルグループが心血を注いで計画した「アルバム発売後、ワールドツアーを盛大に終え、軍服務の空白期突入」という手順がパンデミックによってまさに抹殺されたのだ。

そのように野心的に準備したツアーが全面取り消しになると、しばらくメンバーたちは失意に陥っていたとドキュメンタリーで淡々と振り返る。 しかし、そのような状況でもメンバーたちはできることをし始めた。 この時期、メンバーたちは練習生になったように忙しくダンスの練習をし、ボーカルの授業を受けて猛烈に運動をし、楽器を練習し、パンデミックですべてが止まってしまった人生をアルバムとして作り出した。

いつかメンバーたちが主導してアルバムを作りたいと、何げなく言った言葉が現実になる瞬間をファンとして目撃することは、チームに対する信頼をさらに強固にした。 「本当に悲しかったけれど、その中に真珠のようなものがあった」というメンバー、ジョングクのパンデミックについての感想は、そのような彼らの態度を淡泊に見せてくれた。

『BE』アルバムを準備する過程で、ただでさえ有名だったBTSを再びメインストリームに引き上げた曲が誕生した。 「Dynamite」「Butter」「Permission to Dance」のような曲だ。 元々は出る予定のない曲だった。 普段とは違ってアルバムではなくシングル曲の発売、韓国語ではなく英語歌詞でできたこの歌で、BTSビルボードHOT100で1位を10回以上占めた。

BTSを巡る有名なエピソード

しかし、私が本当に感嘆する部分は、そんな日にも振り付けの練習をする彼らの誠実さだ。 ビルボードで1位になっても「オ・アン・チ」(今日の振り付け練習の取り消し)*3は達成できなかったというのは、ファンの間では有名なエピソードだ。 「成就は嬉しいが、それはそれとしてすべきことはしよう」という誠実な心構えが、地球の大気のようにこのチームを包んでいる。

予期せぬ試練を経験しても、予期せぬ大きな成功を得ても、いつも「それはそれとして、今自分ができることをしよう」という態度を見せる点が、今日強調したい私の歌手の誇らしい点なのだ。

そんなBTSのメンバーたちが今、軍服務中だ。 最年長メンバーと最年少メンバーの年齢差が5才である点を考えた時、7人の軍服務期間が合計2年6ヶ月で終わるのは、ほぼ同伴入隊のように時間を調節したということだ。

コロナのパンデミックが覆してしまったタイムラインを再び正したのだが、これ以上に良いプランがあるのかと思うほどだ。 その上、7人のメンバーが全員軍服務をする本当の空白期間はたった6ヶ月だ。

今がまさにその時期だが、今年6月には一番先に軍隊に行った長兄ジンが除隊する。 驚くのは、除隊まで4ヵ月しか残っていない今も「N月のソクジン」という短いコンテンツが公開されているという点だ。

入隊前、1年半を待つファンのために、時節に合わせてN個のビデオを撮っておいた気持ちが感じられ、短い映像が掲載される度に嬉しくも胸が熱くなる。 2023年9月に入隊したSUGAの「シュチタ」も、入隊後5ヶ月に入る現在まで着実にアップデートされている。

他のメンバーも入隊前に「たくさん準備しておく」と言ったので、徐々に公開される「供給」を待つのみだ。

どうだろうか。人生に数えきれないほど向き合うことになる上り坂と下り坂にも、ついに折れたり揺れたりせず、いつも同じように、今自分がしなければならず、できることをするという存在がある。 どうして愛さずにいられようか。

*1:덕통사고。交通事故=교통사고 のもじり

*2:떡밥

*3: '오안취'(오늘 안무연습 취소)