はちみつと焼酎

BTS 방탄소년단/SUGA. 日本語訳など

戦争廃墟の中のBTSフォトカード/コラム日本語訳

m.segye.com

筆者は韓国外大のイ・ジヨン教授( @JeeLee06767883)です*1

 

戦争廃墟の中のBTSフォトカード

2024-04-12 イ・ジヨン韓国外大教授

最近、国際学術大会に参加した時、あるアメリカ人の研究者が、ガザ地区で勃発した戦争に対する韓国人の反応はどうかと私に聞いてきた。 その質問に私は少なからず当惑した。 韓国内ではその戦争と爆撃に対する人々の反応にあまり接することができなかったためだ。 おそらく韓国の人々はその戦争を、自分たちからとても遠い場所で起きている気の毒なな惨事程度と考え、顧みない人々が大多数ではないだろうか。

では多くの人々にとって、自分が気をかけて関わる必要のある近い場所だという感情は、どうやって決まるのだろうか。 一般的には、地理的に近いか心理的に近い国にだけ、身近な隣国だという感情を感じ、そこでの出来事に気をかけて反応するのではないかと思う。 その他の地域で起こっていることについては、ニュースを見ている間は胸を痛めるがその場限りで、その距離感のためか、何らかの行動を起こすまでは考えられないのだろう。

ところが私の場合、その距離感を一気に崩してしまう事件が起きた。 ガザ地区の爆撃の残骸の下で、BTSのフォトカードが発見されたのだ。 灰色の爆撃の残骸と対比される鮮やかなカラーのフォトカードの異質感と同じだけ、胸がドクンと落ち込んだ。 それは、全世界に住んでいるBTSファンのARMYにとっては、そのまま見過ごせる場面ではなかった。 この一枚のフォトカードは、ただアルバムの中に入っているグッズではなく、全世界のARMYたちのようなARMYが、そこで爆撃されたという悲惨な事実を生々しく伝える物だからだ。

自分と同じARMYが地球上のどこかでこのような惨事を経験しているという事実は、ARMYたちに、遠い国から聞こえてくるただ気の毒なニュースに終わらせなかった。 私と同じ情熱と愛を抱えて生きていた人が、そんな目に遭っている事実は、自分の隣人が被ったこと以上の気持ちで、その問題に関心を傾けさせたのだ。

このようにファンダムは、同じ対象に対する愛情を土台につくられた共同体であり、既存の地理的国家や民族の境界を越えて、私たちに以前とは違う新しい形の感情的共同体を形成するよう導く。 この感情的共同体の中で、ファン心に触発された人類に対する関心は、「地球村」という言葉がリアルに感じられるほど広がり、人々を結集させたりもする。 だから、もうKポップが作ったファンダムに対して「正気を失ったアイドルオタク」という否定的な烙印はおさめ、この共同体に何ができるのか、その可能性についても考えてみる時ではないか。

 

 

 

*1:こちらのコラム、掲載された媒体が「세계일보(世界日報)」…例の元統一教会関連の新聞です。どう捉えたらいいか韓国の方に聞きましたら、「文化面のコラムはその新聞の論調とは別物ということもあって、読者もそれほど気にせず読む」とのことでした。このコラムは単独ではなく、筆者が「世界日報」で持っている「イ・ジヨンのKカルチャー旅行」という連載の一つのようです。